翼羽が欠損しているミサゴでした。
一定の目的で人が集まり、秩序を持って目的を達成する活動を行う場合、その集合体を組織といっている。狭義では、官庁・会社・団体特に労働組合を指す。縦糸と横糸が織りなす織物から派生したといわれている。植物などの一群の細胞が集まって、特定の生理作用をなす構造をいい、筋肉組織、神経組織などのいい方をする。
「組織は人なり」との格言があるとおり、構成する個々人の性格が組織全体の性格を決めるため、組織人たるもの、組織の末端にあっても、一人の不祥事が、全体に波及することは、組織全体の存亡に係わることとして、肝に銘じなければならない。
一度組織が生まれると、一種の有機体として、増殖し、発展するベクトルに向かって動き出し、成長する。組織のことをアメーバにたとえることがあるが、向かう方向を間違えると、自浄作用が起こり、その部分はそれ以上発展せず、栄養が行かなくなるため、壊死してしまう。人の組織での栄養は人であり、資金である。予算の減額、首切り、切り捨て、足きりが行われる。組織の何処かで判断すると、自滅も起こり得る。組織は生きようとするため、不要な部分を切り捨てて、組織が小さくなっても一部は生きようとするのである。
組織には寿命というものがあり、誕生、成長、発展、停滞、撤退を繰り返す。これを寿命と呼んでいるが、多くの企業で同一事業の継続は、ほぼ30年といわれている。同一事業で100年の歴史を持つ企業もあるが、それは極めて限られていて、平均すればということである。そうであれば、撤退する前に新たな事業を立ち上げることによって、継続することが可能となる。ほぼ十年に一つの事業を立ち上げることが行われる。継続できない原因は様々であるが、例えば、時代の流れがあり、消費者の欲望の変化、他社新製品の登場、敵対する同業他社の圧力、組織自体の疲弊等があり、組織同士の吸収や合併も起こり得る。
公官庁での予算も同様で、人口の流動が一定とすると予算総額は殆ど変わらないが、個々の事業については、規模が一定であっても、配布される予算はシーリングを持ち、通常、前年度予算の1割が減額される。10年経てば半額になる計算である。そこで事業の見直しが行われ、同一事業でも次のフェーズに移行する等として、新分野の事業を立ち上げることになる。予算査定には、厳しいチェックが必要で、事業の効果性を判断し、ムリ・ムダ・ムラについて個々に査定される。
社会の動きに敏感でなければ組織は生きられない。当然といえばそれまでであるが、組織の自浄作用がある内はよいが、自浄作用が無くなると、組織崩壊へ向かうのは世の常である。