鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

チェック機能

2015年09月26日 00時00分01秒 | 提言

 文科省に設置された五輪開催に伴って発生した問題に対する第三者委員会の報告書が提示された。新国立競技場の整備計画を検証する第三者委員会は、問題発生原因を調査分析するという役目であるが、責任の所在がはっきりしなかったとの結論であるが、では、そうだからといって、何であるのか分からない。組織のチェック機能は、行政が持つチェック機能が何故発揮されなかったのであろうか疑問が残る。報告書を受け、文科省は今後どうするのか、大臣まで責任を取らざるを得ない瑕疵を誰がどう裁くのか、道筋が不明である。

 

 一般的に考えれば、然るべき報酬を得て、その立場に就任すれば、辞任はやむを得ないが、給与の返納だけでは済まされない。首のすげ替えや、トカゲのしっぽ切りだけでは問題は解決しない。問題発生前に何らかのチェックが行われなかったのか、行政に対し、不正を防止し、不正が行われていれば、業務が停止させられる。事案の原因によっては個人にも及び、懲罰規定によって処理され、場合によっては刑事罰が適用される。上部組織の監事監査や会計検査院が行う会計検査である。このチェックは前年度やそれよりも前の数年間をチェックする事後検査であるので、プロジェクト方式には適用されないのかも知れないが、杜撰な運営の結果を指摘するにはどのような機能が必要であるのか問題の方向を取り間違えているようである。

 

 本来、組織にはチェック機能が備えられているため、不正等の発見は事前に、又は被害が拡大されないように途中で、チェックが行われている。今回の整備計画は、白紙撤回まで進んだのである。個々の事業においても、様々なステージでPDCAが行われているためにわざわざ、第三者委員会を設ける必要もなく適正化を図っているが、そこでは見逃された今回のような問題を再発させないためにはどのようにすればよいかという大問題なのである。

 

 プロジェクト方式が適用された今回の委員会であったが、業務を推進するための業務方法書なる物が無く、構成された委員は部外者を中心に選出されたお歴々であったことの問題点を指摘しておきたい。実態は国際大会などの経験が無く、専門性が全くないに等しいシロウト集団であった。

 

 開催主体である文科省の事務方が無能であることも露呈したが、このことは、第三者委員会が指摘しているように、大規模なプロジェクトを担うだけの体制が出来ず、委託したJSC(日本スポーツ振興センター)が総括としての管理能力は無く、職員を派遣した文科省の管理も不十分で、判断の遅れをチェックして修正するメカニズムが機能しなかったとしている。第三者委員会の報告による指摘だけでは意味がないように感じたのは自分一人ではなかったと思う。当初からオープン化されない不透明さについても何らかの手当が必要であろう。