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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

最低賃金

2015年11月26日 00時00分01秒 | 紹介

 安倍首相の経済政策で新たな目標の中に最低賃金を1000円にする案が表明された。全国平均の798円を毎年3%程度増やす方向である。低賃金で働く者にとっては喜ばしい目標である。798円の3%というと24円程度である。翌年は25円程度、母数が増えるので100円といっても10年は掛かる計算である。最低賃金といっても所得税がかかるため、実質的にはもっと長い期間が必要であろう。全国平均は一律でないため、1000円に近い地域であれば、そう何年も掛からないで目標に到達する。しかし、最も低い県は高知、宮崎、沖縄で、693円。東京は最も高く907円、その差は214円である。

 

 ご承知のように最低賃金は地域ごとに労使の代表と厚生労働省の審議会に於いて経済動向、政府の方針等を考慮して決められている。企業が雇用する従業員に支払う最低限の時給であるため、企業によっては最低賃金以上を支払うことは何ら問題とはならないが、最低賃金以下の支払いでは企業側に罰則が適用される。最低賃金と生活保護の給付金との間に、給付水準が逆転し、一時、労働意欲を阻害する状況が起こり、問題となったが、、現在ではそのようなことはない。

 

 こうしてみると全国一律ではないことに気づくが、この解消も是非取り組んでいただきたい政策と思われる。地域格差の是正は、地域活性化ばかりではなく、同一労働における同一賃金及び男女格差問題は最低賃金法で縛りがあるため、簡単には打開できない状況にある。同一労働における同一賃金及び男女格差問題はその発生プロセスが異なり、同じ土俵で論議することは出来ないし、異論もあるところで、特に、非正規労働者が増えている状況から考えると、正社員との格差も大きな問題と認識している。

 

 企業の海外移転が急速に進み、特に中国では労働者の賃金上昇が顕著となっていて、中国から撤退し、さらに賃金水準が低いベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア等へ進出するか、国内回帰を考えている企業も多いと聞く。国内回帰に当たっては当然地域の最低賃金は、労働者確保の基盤であるインフラ整備環境と、労働力のレベルばかりではなく、重要な選択肢の一つであり、国内回帰のファクターとなっている。

 

 職域と最低賃金とは大いに関連するもので、業種ごとに異なっている。審議会でこれも決められているが、適用除外があり、労働生産性が低い、若年者、学生、障害者、実習生等、最低賃金法の適用が必要ない管理職、専門職、家事手伝い等、また公的部門の被用者も適用除外されている。