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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

市民アカデェミー15後期映像・メディア第7回

2015年11月28日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月27日

 林講師による2回目の講義で、NHKスペシャル番組脳と心の継続で、テーマは「秘められた復元力~発達と再生」であった。ビデオの上映を行いながら、ポイントとなる部分については、講師から具体的な事例と突っ込んだ話が行われた。内容は、植物人間や脳死寸前の患者が鬼籍の生還を果たす場合がある。その秘密を脳科学で探るものであった。

 

 脳死についての質問があった。我が国の脳死に限っていえば、脳死と判定されれば、これは生還することはない、しかし判定基準は国によって異なるため、外国の例では生還した者もいる。外国の判定基準を見ないと何ともいえないとのことであった。我が国の脳死判定基準は厳しいものである。

 

 ただし、事故等で、脳が損傷した場合、直ちに体温を冷やすことによって脳の構成する細胞の死滅を防止することが出来る。その理由は脳に送られる血液が不足すると脳が酸欠状態となり、細胞が死滅する。低温に保つと脳細胞が不活性化するため死滅を遅らせることが出来る。ちなみに、体重の2%が血液であるが、脳はそのうちの20%を必要としているそうである。

 

 脳の損傷が軽度であれば、死滅した細胞を体内機能によって再生される興味深い事例が紹介された。脳梗塞や、様々な機能不全では、死滅した細胞を免疫細胞であるマクロファージが取り除き、これでだめならB細胞、T細胞によって取り除き、空いた場所に新たな脳のネットワークが構築される。脳は右脳と左脳とがあるが、どちらか一方を切除しても、片側の脳だけで、時間は掛かるが、脳機能を再生することが出来る。

 

 そのメカニズムについても解説があった。多くの動物実験でも立証されていて、古い脳(脳幹)が出す電気信号と類似する物理的な処理によって、体内物質であるノルアドレナリンによる放出が、脳のニューロン(神経細胞)及び軸索(経路をつなぐ触手)を正しく構築しているとのことであった。

 

 私論と断った上での話であったが、左脳と右脳及び脳幹とのバランスを欠いた若者が増えていることに関し、感情を司る脳幹周りの大脳辺縁系の鍛え方が悪いことで起こるという。大脳辺縁系が果たす役割は大変興味深い話であった。最近の脳科学の進歩は著しいものがあり、脳障害を決して諦めないことが大切であるという結論であった。