鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ベランダの防水施工

2015年11月23日 00時00分01秒 | マニュアル

 自宅は築後25年は過ぎている。そろそろあちらこちらで不具合が出てきている。目に付くところはその都度修理を行ってきているが、今回、気になっている箇所が2階ベランダの下部(下屋根)の塗装部分にカビが生え、表面の塗膜がめくれ上がってきていた。ベランダの排水は、左右にドレンがある。剥離箇所は、その一方で、樋との境目部分に当たる。原因がはっきりしなかったため、施工した大工の弟子に当たる方に問い合わせ、本日見に来てくれた。

 

 外見では広範囲ではないが、樋を支えるビスが、腐食している。原因をはっきりさせるため、樋の周辺を30cm四方を取り除き、状態を見たら、波鋼板の一部に雨水に浸り錆ている状況であった。この状態では雨水の浸出を止めることが先決で、防水施工を薦められた。大工に手配等をお願いしたところ、当方の方で、塗装業者か樋施工業者に相談されよう促された。今後、業者に連絡することにしている。

 

 ベランダの防水施工は建築当初から手を付けていない箇所で、特に今まで外見上の支障はなかったが、長年の雨水の浸透があったためと思われる。コンクリートの打ち放し後モルタル施工であり、よく見ると細かい亀裂があることが分かった。一度浸透した雨水は、積雪地帯でもないため、晴天になれば、自然と蒸発するのであろうが、やはり防水施工をしておくことは必要と思われる。

 

 防水施工は、ウレタン樹脂防水塗装、塩ビシート貼り、FRPによる防水、アスファルト施工等である。塗装に関連しているので、自分で施工することも可能と思うが、この分野は専門外であるため、専門業者に全面的に任せようと思っている。考えられることは、コンクリート打ちっ放し面にモルタル仕上げ面では、地震、気温の変化等による基材の膨張収縮が原因して、微細な亀裂が発生する。これを止めることは不可能なので、亀裂についていけるような表面に柔軟性を持つ防水膜を施工することになると思われる。

 

 さらに、今まで放置していたことも悔やまれるところで、もっと早い段階で施工をすべきだったと反省している。大工は開けた穴を元通りにしたが、直ぐにスレート版を張り替えることが出来ないと判断したのであろう。自分は穴を開けたままにしておいても良いと思ったが、大工の話では、過去に鳥やコウモリの住処となり、作業を始めると奥へ逃げ込んで手が付けられなかったといっていた。そのようなこともあると納得した。冬へ向かって作業も辛い時期になるため、早急に工事を進めようと思っている。


ブロック塀の塗装

2015年11月22日 00時00分05秒 | 紹介

 数日間曇天や降雨が続き、計画していたブロック塀の塗装が進んでいなかった。ブロック塀は家屋の外壁と併せて業者に塗装してもらったが、2年も経過すると目地部分や、塗装面の変色、亀裂、汚れ、地衣類の付着等が生じる。たぶんエマルション水性ペイントが塗ってあったと思われる。業者は商品名でいうので、はっきりとした組成は分からない。それが業界の通常なのであろう。現在では外壁面に水性塗料を塗ることは一般化しているが、その理由は、エマルション化した合成樹脂を水で薄めることにより、揮発性のシンナー臭を押さえるとの配慮からであろう。

 

 確かに環境問題が塗装業者の施工方法や使用する塗料の変革をもたらした。コンクリートや漆喰、リシンの砂壁等は、アルカリ性を持つため、使用する塗料も耐アルカリ性のものを使用していたが、最近では水に溶けない塗料をエマルション(懸濁)化する技術が向上している。厚塗りで弾性塗料のアクリル樹脂エマルションを手配した。使ったことがなかったが、届いた15kgの一斗缶は、原液の攪拌のため、しばらく前後に揺すってみたが、重いだけで、流動している様子はなかった。

 

 蓋を開封するとアクリル樹脂の匂いが立つ。相当粘調なのであろう、原液に対して10~20%の水で薄めると仕様書に書いてあった。塗装用具は、エアレス又はローラーとなっていたが、ローラーは刷毛に比べ場所を取るので、また、吹き付けは事前に養生が必要である。ローラーであっても地面には細かい飛散塗料が付着するため、とりあえず刷毛塗りを選択した。同時に購入した水性の着色剤を使って、白色の原液に加色した。粘調は溶剤である水を加えたが、刷毛塗りに適した粘度にはなかなかならなかったが、2割まで入れて、刷毛で塗ってうまく塗れるかを試すことにした。

 

 塗料は最初少々の溶剤を加えても薄くならないが、ある段階から極端に際だって薄くなる段階があるので、慎重に行うべきで、何度かに分けて溶剤を加えていく。しかしこの塗料は水である溶剤の性質を遙かに変えていた。粘調でも刷毛の運行に支障なく塗り広げられる。刷毛への含みも良いし、結構隠蔽性も強い。アクリル樹脂の量が多いように思えた。

 

 乾燥は3時間となっていたが、短時間に固化していた。光沢があり、膜厚も結構あった。翌日雨上がりに塗装面を見たが、耐水性も十分であった。水溶性は溶剤である水が揮発すると、乾燥塗膜になり、耐水性を発揮するため水には溶けなくなる。従来持っていたイメージは完全に覆された。そういえば水系塗料と書いてあったので、耐水性となるとまではと勘ぐっていたが実際に水を弾いていた。従って、外壁面でも十分使用できるのである。


市民アカデェミー15後期第6回

2015年11月21日 00時00分01秒 | 日記

 映像・メディアコースの第6回を受講した。前回の養老孟司講師のNHKビデオ、脳と心の進化に関連する内容で、同ビデオの制作統括であった林勝彦氏が3回にわたってコースを担当する。最初に事務局から講師の紹介があった。林氏は1943年生まれで東京都出身、慶応大学卒業後NHKに入社し、300本以上のビデオ制作に携わった。内容は幅広く、科学・医学・サイエンス映像関連である。著作も手がけられているとのことであった。

 

 ビデオ映像は講義で使われるが、最近は著作権や放映権が正しく要請されている時代であり、プロデューサーは問題ないとのことで、グレーゾーンだそうである。制作の手順はテーマに対しての情報収集から始まり、大枠を決める。ビデオはドキュメンタリーであっても、ストーリーが大切で、簡単に言えば起承転結である。中でも展開する部分が難しいといっていた。今回のテーマである、人生をつむぐ臓器「記憶」はサイエンスヒューマンドキュメンタリーで、人間を絡むドキュメントで、且つ、科学的見地から表現したものであった。

 

 番組で既に放映されたものを再現し、区切りごとに、講師の解説を行う形式で講義は進められた。企画構成によって、難しい科学番組ではなく、今回は記憶障害者であるが、特殊な才能を発揮する人間を抽出し才能の発揮を通じて、脳の記憶分野をわかりやすい形にした内容である。ケースとして外国人3人が登場するが、いずれも異なる分野での高い才能を発揮する。取り上げられた2人は年代ごとの日付と曜日を総て記憶していたし、音楽分野で一度楽曲を聴くと総て再現できるという特殊能力であった。他の一人は、青年期に突然脳腫瘍となり、脳梗塞で古い記憶だけが残り、今話した言葉も直ぐに忘れるという記憶障害者であった。

 

 樹木希林女史と養老氏が登場して、脳の記憶とは何か、どこでどのようにして記憶されるのかを解明し、紹介している。若干アニメーションと両氏の行動は現実離れがして良いとはいえないが、視聴者に印象づけるのには十分すぎる脚色なのであろう。プロデューサーの立場からすれば、視聴率を稼ぐことへの必要性があると思われるが、苦しい台所事情なのであろうか、お笑いタレントを噛ます企画が多いと思われるのもそのあたりが影響しているのかも知れない。

 

 講師の経験からする脳の活性化のポイントは、①記憶が分かる一定の関連づけによるブロック化、キーワード付け②繰り返し考え、経験することによる記憶回数の増大化、③脳の活性化のための適度な運動と栄養及び会話、接触等人間活動を続けることだと喝破していた。


リスクマネジメント質問

2015年11月20日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 リスク管理が必ずしも確率や統計を信じることは事故に遭遇すれば、いくら確率が低いといっても発生すれば、当事者にとっては最悪の状況になり、統計上のリスクが高まるだけで、何の問題解決にはならない。母集団が少なければリスクは高まり、母集団が大きければリスクの確率にはさほど影響しない。数字を見ただけでは判断が付かないのであり、統計も当てにはならない。

 

 抜き取り検査という方法があるが、ランダムに選ぶとすれば、一定の確率はつかめるが、グループが特定の不良品を連続的に出す場合や、ある特定の日や時間帯に不良品発生が多いとなれば、原因を究明に至るまでには時間を要し、遡って特定することが難しくなる。事故発生に当たっては、出来るだけ早急に原因を調査する必要があるのは承知の通りである。

 

 危険を事前に調べる方法には、KYT(危険予知訓練)があり、ハインリッヒの法則がある。1:29:300というものである。ヒヤリ、ハットの法則ともいわれる。1つの重大事故には予兆があり、ヒヤリとすることが29件あり、普段では気づかないがハットするすることが300件あるという。つまり、予兆をいかにして気づき、対策を講じるかが事故発生の予防となる。

 

 さて、本題に戻ると、受講者からの質問があり、狼講師の返答は、もっともな内容であったので、ご紹介しておきたい。過去に事務系の仕事をしていた方からの質問であったが、宇宙科学技術の必要性は、行政改革で予算を削られている現状についてどのように感じているかであった。

 

 前内閣の女性議員の「二番ではいけないのですか」で代表される行政府の対応は、無駄呼ばわりされる科学技術に致命的な打撃を与えたのであるが、その後一向に改善する動向にはないとの前置きがあり、若者の夢を可能にする科学技術は、効率論だけでは改善しないとされたが、我が国の将来を担う次世代に対しては、発明や、発見を無駄と考え、リスクとしている事務系の世界観を変える努力は惜しまない方がよいといわれた。

 

 技術立国でしか資源の乏しい我が国が1億の民を養っていくのに、米ばかりを作ればよいわけではなく、世界へ誇れる科学技術がもたらす恩恵は計り知れない。リスクを取りながらでも進めざるを得ず、放棄すれば直ぐにどの国にも相手にされず、国力の低下は目に見えているとのことであった。宇宙科学技術の発展は今後起こりうる第4の革命とまでいっておられた。


市民アカデェミー第4回大学連携

2015年11月19日 00時00分01秒 | 日記

平成27年11月17日

  巨大システムのマネジメントとリスクとのテーマであったが、前回の取り残した課題から始まった。ゲームの理論は奥が深く、一見常識と思える課題に対して、実は前提条件が変わることによって、答えの導き出す方法が異なるという。ヤギ問題についての解説があった。この問題は、確率の話で、3人の囚人と同様なジレンマの話でもあり、解答が分かれ、現在でも論議が続いているようである。

 

 引き続いて、12枚の硬貨中贋金1枚を見つける方法についての解説があった。前提条件は贋金は本物と重さが違い、重いか軽いかは分からない。上皿天秤のみを使い何回で贋金を見つけられるかという問題である。解答は、贋金のある場所と軽重は24通り、天秤測定1回の結果は3通り、天秤2回の結果は9通り、天秤3回の結果は27通りあるので、3回で十分な情報が得られる。では、1回目の測定で何個づつ天秤に乗せればよいか?答えは、天秤で測定されたグループと測定されなかったグループの不確かさ(情報量)が同じとなるようにする。すなわち4個づつ載せればよい。

 

 次の話題はリスクについてであった。リスクとは、予想される損害に発生確率をかけたもので、統計論で使われる「期待値」のことである。ビジネスやプロジェクトなどの総ての試みには必ずリスクを伴うので、利益とリスクは同じ土俵で起きる。国際標準(ISO)では、「目的達成に対する不確定性の影響」と定義されている。

 

 図示できればよいのであるが、意志決定プロセスにおいて時間との関係で達成目標に至る過程ではイベントの途中でリスクが発生し、場合によっては目的達成を阻むのでイベントの影響を皆無にすればよい。とはいえ、皆無が難しいので、リスクがどこまで許容できるか、さらにはリスクの重大性の評価によって、頻度との尺度(確立)で考える。許容できるかどうかは、失敗の頻度(極めて低い、低い、中程度、高い)の高低と影響の重大性(軽微、重大、致命的、破局的)をマトリックスにして適応する。

 

 ISOの定義によれば、リスクマネジメントは、リスク分析の結果リスクが許容できるレベルかどうかを決定することとされている。情報セキュリティとリスクの問題がマイナンバー等で、発生してきているが、暗号化の技術と相まって、最近では相当高度な認証方法へと発展し続けている。現在のセキュリティでは数学の素数を利用しているようである。


ニードルタッティング

2015年11月18日 00時00分01秒 | 紹介

  市民アカデェミーのフェスタ15が11月7日、8日と二日間生涯学習プラザで実施された。参加したわけではないが、パンフレットにあった、受講生有志によるレッツタティングレースという実演と参加希望者の体験教室が目を引いた。当初はレースと書いてあるので、何かの競技かと思ったが、内容を見ると初心者向けのワークショップで、ちょっとしたコツを掴めば、優しく気軽に楽しめるタッティングレース、まずは基本のモチーフからと唱っている。レース編みである

 

 子供の頃に母親から教わったシャトルを動かしながらレース編みを行ったことがあったため、そのことを思い出した。その後はそのようなことも忘れていたが、十分な時間と暇があるため、もう一度挑戦しようと思った次第である。早速パソコンでキーワードを入力すると意外や、欧米の貴婦人のたしなみという。現在では、レース編みを行う男性の先生をテレビで見たこともあり、アンデスでは男が編み物をするという。我が国では編み物をするのは女性が大部分と思うが、老化予防には最適な趣味にも利用できるのではと考えた。

 

 手先や指先を使うことは脳神経を刺激するといわれる。事実、ボランティアで移送した送迎の利用者の一人は、仲間とマージンを行うことで、症状も回復しつつあり、指先と頭を使うことが脳神経に何らかの影響をしているといえるかも知れない。

 

 動画で優しく教えてくれる番組は多数あり、道具もさほどお金がかかるわけではないので、少し勉強しつつ、経験してみるのも悪くないと思っている。あるビデオでは、講師の女性が、シャトルを使うよりはニードル(針)を使う方が簡単であるといっていたので、まずはその方法を行って見ることにしたい。ニードルタティングである。ニードルは我が国ではさほど使われないのか、ネット通販でも限られている。ぬいぐるみ針セットの中に丁度適した針があるようで、早速購入してみようと思う。針の先端は尖っているため、数ミリペンチで切断し、針先を丸めると使えるようである。

 

 同様なシャトルで漁師は網を補修する。父親が生前遠洋航海に行っていたので、シャトルも我が家にあったが、どこかへ行ってしまって今は見あたらない。シャトルに巻き付けて使い方法は共通しているように思えるがお門違いかも知れない。手芸店に出入りするのは気が引けるが、ネット通販なら道具や材料は揃うであろう。気まぐれにならないように適度に打ち込めればよいのであるが。


多摩川の写真展

2015年11月17日 00時00分01秒 | 紹介

  毎年この時期に、宿河原堰の管理を行っているせせらぎ館では、多摩川に関する各種展示や、野鳥等の写真展示が行われている。11月22日には、野鳥の写真家である大野先生の多摩川野鳥サロンが開催される。一年間を通じて飛来する多くの野鳥の写真展も同時に行われている。50種類近い野鳥が飛来するが、留鳥も結構いる。野鳥が来るのは繁殖行動や、えさの確保であろう。えさが豊富であることの証であり、きれいになった多摩川は、魚も住みやすくなっているのであろう。

 

 宿河原堰近辺には駐車スペースがないことが幸いしているのか、さらに、河川敷きの整備が十分行われていないことも、自然を残している理由と考えられる。しかし、遊歩道にもバイクが入り込み、マウンテンバイクで我が物顔で走り抜ける者も多い。標識はあるが、厳しい取り締まりがないからかも知れない。

 今日は久しぶりに生田緑地を専門に写真を撮っているカメラマン仲間に出会った。奥方同伴で、高齢者の健康な余暇活動である。野鳥写真の魅力にとりつかれているのであろう。野鳥を追いかけていると知らずに体を動かすし、自然の恵みを受けながら、気分も爽快になる。野鳥の写真が撮れれば、それはそれで目的を果たすことになり、たまには迫力のある写真を撮ることが出来る。

 

 そろそろ、冬鳥の飛来も多くなってきた。かも類が多く、水面で憩う姿を見ることが出来る。カンムリカイツブリ、オオバン、キンクロハジロ、ヒドリガモ、コガモ、ヨシガモ、マガモも多い。50羽は下らないユリカモメも見ることが出来る。河川敷のブッシュには、ジョウビタキ、ホウジロ、カワラヒワ、モズがいる。留鳥ではヒヨドリ、シジュウカラ、メジロは始終見かける。浅瀬にはコサギ、チュウサギ、カワウ、アオサギ、セグロセキレイ、キセキレイ、ハクセキレイ、イソシギ、カワセミは常駐である。

 

 猛禽類も多くいる。オオタカ、チョウゲンボウ、ノスリ、ハヤブサ、ミサゴ、トンビ等である。通過していく野鳥もいるのであまり動き回らなくても出会うことがある。四季によって様々な鳥がいるのは大野先生のブログでもよく分かる。手の届くところに自然がある生活は、都会暮らしでも十分満喫できる。多摩川のおかげである。いつまでも味気ない環境に変わってしまうことがないよう願っている。


養老講師の言葉からその2

2015年11月16日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 就職に関しての示唆に富む話があった。例として一連の主体性についての派生として出た話で、若干の私論も含まれていることをご承知おきいただきたい。最近の就職に関する心構えが自主性や主体性についての認識を異にしているようで、自分にとって好きなことや、自分の思い通りの職場を希望する若者が増えていることは、就職することの実態が分かっていないからであるとされた。そもそも就職して職に就き賃金をもらうという意味を正しく理解できていないから、そのような安易さがまかり通るとされた。

 

 就職は遊びではない、自己の快楽のために就業するのではないのであり、辛く、厳しく、いやなことも経験していかなければならず、新人社員の個人的能力など企業側もはじめから期待していない。困難な任務やベテランでなければ対応できない職務には就かせないのは当たり前の話である。長い勤務経験があって初めて信頼を勝ち得る。決して始めから自己評価が通る世界ではない。

 

 何故にそのようになるのかは明らかなことで、主体性を持たせる教育に多くの問題がある。褒めることによって、積極性が生まれ、多くの可能性があるとしている。そのこと自体はよいことであり、その通りなのであるが、社会人としてのルールすら分からない新人が、何が出来るのであろうか、出る釘は打たれるのである。突然の拒絶は、企業側の悪意ではない。能ある鷹は爪を隠すで、組織のルールを逸脱して自己主張は通らないのである。企業では個人は協調性の中に存在するもので、一人親方ではない世界を十分理解する必要があろう。

 

 いやな作業でも、単純でばからしい作業でも何でもやってみてから考えればよいのであるが、経験もしないうちから、好き嫌いでは仕事は出来ない。そして大事なことは、考え方の日本人的判断である。何事も中庸といわれるとおり、反対の人がいれば賛成の人がいる。その割合は50対50であり、賛成とも反対とも付かない特徴があるとのことであった。反対している者の意見でも本音と建て前があり、考えは反対しても実際の行動は賛成し、逆も行われる。これを持って調和というのかも知れないが、考え方一つにしても様々あるのが人間世界であることも頭の隅に置いておく必要がある。

 

 中根千枝氏が縦型社会の人間関係でいわれていたことに、あわせと選びがあるが、日本人の特徴として選びよりもあわせを重視するといわれていたことを思い出した。この考え方は多くの日本人が持っているといっても良いと思う。そこには自己主張する主体は顔を出さず、相手にあわせる配慮を求めていることを意味している。