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>○ 仕事ができる人間と学歴は関係がない
>汐見 稔幸(しおみ としゆき)/東京大学名誉教授。1947年生まれ。東大教育学部卒業、同大学院博士課程修了。専門は教育学、教育人間学、育児学。育児や保育を総合的な人間学と位置づけ、その総合化=学問化を自らの使命と考えている。2007年から現職。同短大学長も兼務(撮影:梅谷秀司)
>──人には得手不得手があると。
>もともとそう。>誰もがそんなにいろんなことができるわけではない。 >むしろ可もなく不可もなしのことをいっぱいやり、満遍なくできる人間ほどつまらないものはない。
そうですね。満遍なくは、没個性ですからね。
>それより、こっちは苦手だが、これをやらせたらすごいという人はたくさんいる。>でも、「平均的な底上げ」を得意とし、「年相応の学び」を提供してきた学校教育は、そういう人間を伸ばせるシステムとはいえない。
そうですね。金太郎飴の製造工場のようになりますね。
>──優れた大人のイメージは父親ですか。
>印象的だったのは近所の大工の棟梁。>その人のやっていることを見ていると、すごく格好いい。
そうでしょうね。’好きこそ物の上手なれ’ ですね。
>僕自身、自分用の大工道具一式を小学校に入る前には持っていた。>父は仕事人としては一人前だが、学歴がないからNHKの音響技師に応募して断られたということもあったらしい。
父子ともども並外れた才能の持ち主ですね。
>本当に仕事ができる人間と学歴は関係がない。>上手な手助けのシステムがあれば、人は勝手に育っていく。>自分で自分の人生を作っていると実感できれば後悔もない。
そうですね。
>もちろん医学など大学に行かないと学べないことはたくさんある。>だが、そこに行かないと研究できないのだから、それはほとんど職人仕事だとも言ってもいい。
そうですね。高度と称される職業は、実学 (技術) ですね。
>──没頭できるものとの出合いが大切?
>世の中、こういう枠組みがあるから、そこに入りなさい。 >その中で、点数取りの競争をして、それに向いているからと銘柄の大学に入って、それも末は博士か大臣かではなく大企業の課長止まり。 >今のリクルートシステムの主流はこう作られているが、教育はそんなつまらないものではない。
現在の学校は、序列人間を作るための装置になっていますからね。同次元の序列争いの中で、序列人間は作られる。わが国のような序列社会では、公的な序列が何よりも重宝がられていますね。
>文学作品を読んで感動して、こういうものを書いてみたいと文学教室に入ってみる。>いろんな人と出会い、切磋琢磨し合う。 >結局プロにはなれなくても、今でも自作に励んでいる。 >そうであれば人生に満足できる。
そうですね。自分の意思に従って生きれば、悔いはありませんね。
>文章ではなく、料理にはまってその世界に入っていってもいい。
‘私は、首相にならなかったら、料理人になっていた’ というドイツ人の政治家もいましたね。
>本当の文化に出合い、そこで没頭する、凝ってみたいと高揚する。 >それこそが生きていくうえでのテーマなのだから頑張ってみる。 >そういうシステムがあったら、もっと面白く、アイデア豊かな人間が育つのでないか。
本当に、そうですね。個性豊かな人間が育成されるでしようね。
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