>内田樹「日本社会の生きづらさに“現状維持”を望む若者 負のスパイラルの始まりだ」 >連載「eyes 内田樹」 >内田樹2020.12.2 07:00AERA#内田樹
(略)
> 哲学者の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。
>時事問題に、倫理的視点からアプローチします。
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>「若者ほど内閣支持」という見出しを見て胸を衝かれた。 >毎日新聞が11月7日に行った世論調査によると、内閣支持率は全体で57%だが若い世代ほど高い。 >18~29歳では支持率が80%、30代が66%。 >以下しだいに下がって、80歳以上が45%で最低。
若者の方が現実肯定主義の傾向が強いですね。
> 首相の日本学術会議新会員の任命拒否についても、18~29歳は「問題だとは思わない」が59%に達した。> 今の日本は若いほど政府の主張に理解を示していることがわかる。
政府に理解ではなくて丸投げでしょうね。
>年齢が低いほど現状肯定的になり、変化を嫌うというような現象を私は70年生きてきてはじめて見た。
伝統的に ‘何事もお変わりなきことが良いことで・・・・’ 。未来に関しては、一寸先が闇に見えます。
> 識者によると、若い人にとって今があまりに生きにくい時代なので、「これ以上悪くならないように」という願いが彼らを現状維持に向かわせるのだという。
そうですね。他力本願・神頼みですね。
日本人には意思 (will) がない。意思は英語の未来時制の文章内容であるが、日本語の文法には時制 (tense) というものがないので、日本人には意思がない。
意思のあるところに方法 (仕方) がある。Where there's a will, there's a way. 日本人には意思がない。仕方がないので無為無策でいる。優柔不断・意志薄弱に見える。生きる力 (vitality) が不足している。困った時には '他力本願・神頼み' になる。
' やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かず' 山本五十六 (やまもと いそろく)
>生まれてからずっと年々日本社会は生きづらいものになってきた。>であれば、これから先もさらに生きづらい社会になるに違いない。
自由とは、意思の自由の事である。だが、日本人には意思がない。そして、恣意 (私意・我儘・身勝手) がある。恣意の自由は何処の国でも認められていない。’自由のはき違え’ となるからである。 だから、昔からの ’不自由を常と思えば不足なし’ のままでいる。
>それならいっそ現状のままの方がましだ……というのは帰納的推理としては合理的である。>より悪く変化するよりは現状維持。
そうですね。それは、社畜・家畜の精神ですね。
>「知らぬ仏より馴染みの鬼」という理屈にはそれなりの説得力がある。
なれ合いが日本人の本分ですからね。なれ合いをするなら理解せずに済む。頭を使わない人間は、思考停止と判断の丸投げで生活をやり過ごしている。だから、日本人は政治音痴ですね。受け身の人生ですから政策による被害者ばかりが多く出る。
‘日本人は政治にそれほど関心がないのに政府に依存し、国からの発言を待っている。’ (ウスビ・サコ)
> これは政権担当者にとってはまことに耳よりな情報である。>この理屈でとおせるなら、これから先、政府は「国民がより生きにくくなるような政策」を選択的に採用すればするほど、若い人たちはいっそう現状肯定的になり、政権基盤はいっそう安定することが期待できるからである。
そうですね。現実肯定主義の国民により日本の保守政権は安定していますね。日本人はどの世界へも移行しようとは思わない。日本語の文法には時制 (過去・現在・未来) というものがないから、日本人に別世界の内容は想起できませんね。政権担当者と国民が力を合わせて自分たちの墓穴を掘っていますね。
> そう考えると、国民に痛みや犠牲を求め、基本的人権の制約をめざす政党の方が、国民に高福祉や市民的自由を約束する政党よりも若い人たちに好感されているという事実が理解できる。> 月額7万円渡すだけで、年金も生活保護も打ち切るという提案も、おそらく若い人たちのうちには相当数の支持者を獲得することができるのだろう。
そうですね。
> 国運が衰微し、勢いが失われ、生活が貧しくなると、国民の自己評価もそれにつれて下がる。>するとその低い自己評価にふさわしい「冷遇」を受け入れることがクールでリアルな生き方だと信じる人が増えてくる。>日本はそういう「負のスパイラル」に入り始めたようである。
そうですね。‘貧すれば鈍する’ ですね。負のスパイラルですね。
>内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数
>※AERA 2020年12月7日号
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