>ZAKZAK
>潮匡人
>続・台湾有事の衝撃
>一方的な現状変更を奉じない日本メディアの責任
>ロシアとウクライナを同列に”どっちもどっち”
>うそぶくNHKを見て確信
>4時間
>今回の連載の最後に「日本の問題」を検証しよう。
>最大の問題は、危機感の欠如である。
>関心すら薄い。
>事実、「産経新聞」や「夕刊フジ」を除き、主要メディアは「金門海域危機」(=台湾の離島、金門島付近の海域で、中国海警局がパトロールを常態化させ、一方的な現状変更を試み始めていること。前回参照)をほとんど報じていない。
>いや、今さら嘆くまでもない。
そうですね。
>何しろ、2年前に始まったロシアによるウクライナ侵攻も、昨年来の「ガザ紛争」も、多くの日本人にとって地球の裏側の出来事でしかない。
>まるで当事者意識を欠く。
自己の意思を表明すれば当事者・関係者となる。述べなければ傍観者にとどまる。日本人には意思が無いので常に傍観者になっている。わが国は世界の中にあって世界に属していない。
>主要メディアの責任も重い。
意思の無い人間には責任もない。
>現在進行中の「ウクライナ侵攻」を、公共放送(NHK)の看板番組「クローズアップ現代」が今年、こう「作家・佐藤優氏」に語らせた(1月23日放送)。
>《バイデンさんから見るとプーチンは悪魔なんです。
>プーチンさんから見ると、ゼレンスキーさんとバイデンさんは悪魔なんです》(1月23日)
>侵略者(ロシア)と被害者(ウクライナ)を同列に並べて、「どっちもどっち」とうそぶく。
>NHKは本当に、これでいいのか。
イザヤ・ベンダサンは、自著 <日本人とユダヤ人> の中で ‘自らの立場’ について以下のように述べています。
何処の国の新聞でも、一つの立場がある。立場があるというのは公正な報道をしないということではない。そうではなくて、ある一つの事態を眺めかつ報道している自分の位置を明確にしている、ということである。 読者は、報道された内容と報道者の位置の双方を知って、書かれた記事に各々の判断を下す、ということである。 ・・・・日本の新聞も、自らの立場となると、不偏不党とか公正とかいうだけで、対象を見ている自分の位置を一向に明確に打ち出さない。これは非常に奇妙に見える。 物を見て報道している以上、見ている自分の位置というものが絶対にあるし、第一、その立場が明確でない新聞などが出せるはずもなければ読まれるはずもない。・・・・・ (引用終り)
>番組の桑子真帆キャスターに、「社会を包む空気は台湾有事だとか防衛費増額とか、そういう声。
>あとは新しい戦前という言葉も聞かれますけれども、どういうふうに映っていますか?」と問われ、佐藤氏はこうも答えた。
>「ロシアがウクライナを侵攻したと。
>だから中国がきっと台湾を侵攻するというんだけども、そこで、もうワンクッション置いて考えないといけないと思うんです」「単純にここのところで台湾有事で防衛力を増強しろという話にはならない」
>最後に、桑子キャスターがこう締めた。
>「他者を知り、信頼し、助け合うことが大切だと語った佐藤優さん。
>一見シンプルな言葉ですが、そのことが難しくなっている今、大切なメッセージだと受け止めました。
>この言葉を胸に、この1年も伝え続けていきたいと思います」
>何も難しくない。
>実にシンプルだ。
>「力による現状変更」は許されない。
そうですね。
>中でも国連常任理事国による力の行使は…。
>最新の拙著『台湾有事の衝撃』(秀和システム)にも記したが、少なくとも私は中ロを信頼しない。
>助け合おうとも思わない。
>番組を見て改めて確信した。
>台湾有事に備え、防衛力増強は必須である。
そうですね。
ウクライナはソ連崩壊により核兵器を放棄した。しかし、プーチン大統領は非核国ウクライナに侵攻し核兵器使用をちらつかせて恫喝した。
これにより我が国の非核三原則に依拠した安全神話は消滅した。非核三原則とは 核兵器を「持たない、つくらない、持ち込ませない」の三原則を指すものと1967年 (S42) 12月に佐藤栄作首相は説明した。日本人のお花畑はもうない。
「世界大戦を含むあらゆる戦争はすぐ終わらせられる。講和条約を結んだ場合、あるいは1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをした場合だ」 (ロシアのメドベージェフ前大統領)
‘ウクライナでの戦争の教訓は、抑止力によって未然に戦争を防ぐ方が、侵攻してきた敵を後退させることよりも遥かに望ましいということだ。’ (マシュー・ポッティンジャー)
‘ロシアが力による現状変更を行っている国はG7(主要7カ国)では日本だけだ。北方領土だ。だから、ウクライナ問題で、ロシアを一番強く批判しなければいけないのは日本だ。’ (小野寺元防衛相)
(評論家・軍事ジャーナリスト) =おわり