>努力家で高学歴・高収入の親ほど、子どもにも同じルートを歩んでほしいと思う気持ちは強い。
>将来幸せになってほしい、安全で健康に過ごせるよう衣食住や教育環境を整えてあげたいと思うのが親心だろう。
>しかし、高学歴がゆえに教育虐待に陥り、親子関係が悪化してしまうケースもあるのだ。
そうですね。
>高学歴親が子に与える影響は具体的にどのようなものか。
>危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は言う。
>「高学歴の親ほど、子どもがやることに対して口出しする傾向が高いです。
それは自分が正しい道を知っていると信じているからですね。
>自分が育った環境・経験が正しいと思い、発達中の子どもが歯がゆく先回り、あれこれ指示を出してしまうんです。
>お受験に有利な習い事や子どもの進路先、しまいには交際相手などにも口出しをしてしまう可能性も。
>彼女らは、私と同じような人生を歩むのが幸せだと信じて疑わないのです。
人の人生は様々です、けれどもですね。
>親の完璧主義は子育ての悲劇になりかねません。
>親子関係が悪化しないために、子どもの能力を尊重し自主性を育める環境の整備が大切です」
そうですね。
>高学歴=幸せなのか。
>今回は、東海地方で暮らす主婦へ、高学歴・高収入ゆえの教育の悩み、葛藤について話を伺った。
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>加藤真由美さん(52歳・仮名)は夫婦ともに歯科医で、東海地方の総合病院で勤務している。
>真由美さんの父親も歯科医で、小さい頃から自分も父と同じ職に就くと志していたようだ。
>世帯年収は1,800万円。
>地方で夫婦ともに歯科医、15階建てのマンション最上階に住む彼女らは”勝ち組”と言えるだろう。
>真由美さんの家族構成は、夫、真由美さん、娘(27歳)、長男(23歳)の4人。
>長男は大人しい性格で昔からゲームが大好き。
>コツコツ努力できる性格で大学在学中から税理士を目指し、現在も猛勉強中らしい。
>一方、真由美さんが悩んでいたのは娘(A子)の将来だった。
>A子はとにかくポジティブな性格で友達が多く、家に籠もってゲームをすることが好きな長男とは正反対。
>小学生の頃は毎日、友人たちがマンションに迎えてくれて一緒に登校。
>休日は必ず朝に電話が鳴り、遊びの誘いがあるほど人気者だった。
>「娘はもう27歳になりましたが、進学の件では揉めましたね......。
>家出されたこともありましたし。
>もう9年前の話ですが、子育てのなかであのときが一番キツい時期だったなと思います」
>奈美さんは当時のことを、懐かしみながら語った。
>「私たちのように歯科医を目指せとまでは言わないけど、優秀な大学に入っていい仕事に就いてほしい、将来苦労してほしくないと強く感じていました。
>娘にとって最高の環境を整えてあげたく、小学4年生から塾へ通い中高一貫校の私立へ通わせました」
>努力が実り、A子は第一志望の中学へ入学。
>どんな環境でも楽しめる陽気な彼女は私立中でも友人をたくさんつくり、毎日楽しそうに登校していた。
>テスト期間中は友人らとフリー自習室やスタバで勉強し、放課後はカラオケに行ったりプリクラを撮って遊んだりと、充実した生活を送っていた様子。
>成績上位とまではいかなかったが、席次は常に50番以内をキープ。
>学年250人中の50番はある程度上位の大学を狙える範囲内だった。
>最高の学習環境を整えたいと思い、夏休み3週間の短期留学プログラムへの参加、約60万円かかるオーストラリアの修学旅行にも行かせた。
>公立校とは異なりさまざまな体験ができる環境に身を置き、有名私大へ通えるよう全力でサポートしてきたようだ。
>「娘には『将来なにしてもいいのよ、やりたい事をやりなさい』とは言っていたけど、本音を言うと私たちのような歯科医か、医療に従事する仕事もしくはグローバルで活躍できる人材になってほしいと思ってました。
>そのため、幼少期から教育にかける費用は惜しまなかったです。
>しかし娘は自由奔放な性格。
>仲がいい私立の友人たちは優秀とはいえない子ばかりで......」
そうでしょうね。‘類は友を呼ぶ’ でしょう。
>今まで勉強しろと口に出さない夫婦だったが、高校2年生に進級した際の内申は4.0、全国模試の結果は第一志望にしていた東京の私大がD判定。
>満足とはいえない結果を見て、進路の口出しをするようになった。
>「娘が高2の頃、長男は中1で同じ学校へ通っていました。
>長男はコツコツ努力型なので席次は10位以内。
>娘に対し『弟は成績上位なのに、あんたも真剣に考えなさい!』『いま頑張らないと将来苦労するんだからね!』と頭ごなしに怒り、勉強しろと強く言いました。
>カラオケやプリクラ、メイクやヘアセットに一生懸命で『そんなの大学行ったらいくらでもできるでしょ!くだらない!』と娘の好きなことを否定していたんです......。
>反抗期も重なり、口を開くとうざい!私の勝手でしょ!好きで私立行ったんじゃない!別に東京の大学行かなくてもいいし、誰も希望してない!なんて言われちゃって。
>家にいるのが居心地悪かったのか、ついに家出をしたんです......」
>家出した先は、同じ私立高校に通う友人M美の自宅だった。
>2人は中学から仲がよく、定期的にお互いの家に行ったり来たりする仲。
>親同士も顔見知りで、連絡先は知っていたようだ。
>M美の母から着信が入る。
>「A子ちゃん、家に帰りたくないってM美に言ってるみたいで......。
>主人は出張ですし、もしよければうちに泊まらせてOKですよ。
>M美も楽しそうなので」
>優しい言葉をかけてもらい、M美の家族へ甘えることに。
>家出したA子の話を夫にすると「あの子の人生なんだから、大学は好きなとこ行かせたら?
そうですね。子供の人生は子供自身に決めさせるのがよいですね。
>歯科医だけが正解じゃないでしょ?」と言われ、真由美さんほど子どもの将来を真剣に考えていない様子だ。
>「私からすると、楽して生きていけるほど世の中甘くない。
>女性は出産・育児というハンデを背負うと社会で活躍しづらい。
>何歳になっても一人で稼げる能力と技術を身につければ困ることはないと、娘のためを思ってきたのに......これまで頑張ってきたのは何だったんだろうと空虚な状態が続きました」
何よりも自由が大切ですね。自分で決めた人生に悔いはない。
>娘が家出したあと、本人が進みたい道を応援してあげたいと思う真由美さんだったが、その一方で「自分のような人生を歩んでほしい」と強く願う感情が消えないのは確かだった。
我が子を自分の後継者にしようとする親は多いですね。家元制度のようなものか。家業中心の考え方から個人中心の考え方に切り替えると、人間の幸福感は増大しますね。いずれにしても子供の未来を奪うのはよくないことです。子供の幸・不幸に関係しますね。
トットちゃん (黒柳徹子氏) は自分の好きなことだけをやってきた。そうすれば、仕事は面白いし、神経は集中するので能率は上がるし、それ相当の成果が期待できますね。
>☆「東京の私大に行きなさい!お母さんたちのように歯科医を目指すの!」後半では、高学歴親が抱える悩みと一筋縄ではいかない子育てについて詳しくリポートしていきたい☆
>取材・文 錦城和佳