21日
翌朝は4時起床で4時45分の朝食、ガスがかかっていて日の出は見られなかったが、食事中に太陽がガスの中から見え始めた。
5時半出発で横岳に向かった。団体さんがもう少し後で出発というので、その前に出たのだった。鎖場などで渋滞しかねないので。私は朝から膝サポーターを二重に装着。長い行程に備えた。
台座の頭までのつゆに濡れたコマクサ。
八ケ岳キスミレ
しばらくはガスの中を台座の頭まで登り、横岳方面の尾根道を行く。
途中北側の空に丸い虹のようなものが見えて、その中になんと私たちの姿が映っていた。ブロッケン現象。
雲海
だんだんに晴れてきた。
後ろの方の団体の方々の歓声で、もしかしたら富士山が見えたのでは?と思って探すが見つからない。
いよいよカニの横這いが始まるという直前で、右手の端の方に富士山が見えた。残念ながらかなり危険な場所だったので、私は半分しか写せなかったけど。
恐ろしいカニの横這いや鎖は下に樹木があって、真逆さまには転落しないみたいだったので、何とか恐怖心を抑えて通れた。すぐにたての鎖だったが、それも無事通過。梯子や鎖の連続を経て横岳に到着。
鎖場などは緊張していて、写真を撮る余裕はなかった。
横岳
硫黄岳方面
此処で上に岩場を登るところを花の多い小道に入り込んだ。先がないのですぐに戻り、急な岩場を登った。
ウルップソウの群落
イワベンケイのつぼみ
中央右寄り、雲海の上に雲をかぶった富士山がうっすら見えている。
赤岳がくっきり見えている。
三叉峰と雲海
大権現の碑
オトコヨモギ
ミネウスユキソウ
ミヤマオダマキ
はしご(巻道があったのだが)
イワオウギ
岩梅(ピンボケだが)
岩の登山道に咲くイワツメクサ。
鎖場を下りるハイカー
鎖場の連続(一枚岩の鎖場というところか?)
二十三夜峰の碑
岩場に咲く花々
イワベンケイ
イブキトラノオ
イブキジャコウソウ
途中の尾根から見えた東側の幅の広い川。
地蔵の頭
やっと赤岳展望荘が見えてきた。休憩撮ることに夢中で写真撮らなかったみたい。景色のよさそうな山小屋だ。五右衛門風呂と水洗トイレがある。
手と足を使っての重労働の連続にもう息も絶え絶え。でも1時間くらいたてば赤岳まで行けるかもしれないと展望荘の喫茶室に入る。
お汁粉を注文して 一休みしていると団体がトイレの使用をスタッフに伝えに来た。彼らは休むことなく、荷物を置いて、ガスに覆われた赤岳を目指して行った。
私たちもあんまりゆっくりもしていられないと20分くらい休憩したところで出発。荷物を置いて行こうかと思ったが、最初に考えていた文三郎尾根に行くには赤岳の向こう側を下りると言われて、重い荷物を担いで出発。団体さんは戻ってきて地蔵尾根を下るようだ。降り口が急なガレたコースに見えたところだ。
それで赤岳に登るのだが、鎖の連続。まあ鎖なしでも登れなくはない斜面なのだが、安全のためには鎖をたどった方がよさそうだった。空気も薄いし、ハアハア言いながら登って行った。
赤岳北峰にて
やっとのことで山頂荘に出る。頂上はまだその先だった。
やっと山頂に立つことができた。フーッ!でもほぼ標準時間で着いた。拍手!
山頂(関係な方がうつってしまった)
赤嶽神社
しばらく待つが一向に晴れてこないので、帰りのバスもあるので小休止の後で、中岳・文三郎尾根への標識に従う。
それがすごい鎖場を下りないとならないとは知らなかったのだ。(読んだ本とかには出ていなかった。)
それと中岳に出た方が楽かもしれないと、頂上直下で休憩中に近くの方に言われた。しかし一度下りて登りがあるし、調べてこなかったからね。
下山とは言え、息が抜けない。揺れないようにザックのひもをギュッと締め、ぞっとしながらも必死で下りて行った。ごつごつした赤岳の岩峰を下りるので、それは大変。
鎖場を降り切ったあたり
やっとやや緩やかになったあたりで小学生くらいの女の子二人を連れた親御さんを見かける。すごいですね。
雪渓が見えた。
それからほっとする間もなく文三郎尾根の階段の連続を下りる。ところどころ梯子もかかる。その道を登ってくる方もたくさんいらして、皆さん体力ありますね。
赤岳を振り返る。
下の方に見えていたのが美濃戸かと間違えて、時間に余裕があると思っていたら、そこは行者小屋だった。
美濃戸、阿弥陀岳への分岐。
ちょうど地蔵尾根を下りたらしい団体さんが到着して、お昼を召し上がっていた。私たちは疲れすぎで食欲が沸かず、残っていたパンとかフルーツとかを食べて、団体さんの前に出発。
楽かと思った南沢コース、結構きつくて、これでもかこれでもかと岩のゴロゴロした道が続き、もう最後かと思ったら、上り坂があって、途中でお会いした方が大変ですよ、といった通りだった。でも来たからには行くしかない。
南沢は最初はなだらかな河原の横の道だった。あまり道しるべが少ないので、先行の若者も時々首をかしげていた。道しるべも古いピクニックシートを破った物とか、テープも黄色やピンクとかいろいろ不揃いでわかりにくかった。
最初はなだらかな苔の樹林帯の間を通る。
しかし、そこを過ぎると岩だらけの道、ところどころ水が流れている。
これでもか、これでもかという岩や石の登山道を下って行く。うんざりしてくる。
渡渉部
二つ目の堰堤の上の青い水がきれい。もう美濃戸に近いのかと思うとまた別の堰堤が現れる。
沢沿いに歩く。
池?と思ったのは堰堤の上部の水だった。
そろそろおしまいかと思ったら登りとなる。
やっとなだらかになり、橋を渡って草地の中の道になる。
ヤマオダマキ
カニコウモリ
二つ目の橋を渡ってやっと美濃戸についた。美濃戸山荘がある。2時間もかかってしまった。
バスが出る美濃戸口まで1時間20分くらいしかない。もう足が痛い。あまりの疲れに美濃戸山荘を写すのを忘れてしまった。その先にも2軒小屋があった。
間に合わないかもしれないので、タクシー会社に電話したが美濃戸まではタクシーは入れないとのこと。ガックリ。休んでいる暇がないので林道を行くが、アブの大群がまとわりつき、追い払うのが大変。虫除けをどこに入れたから分からなくて出てこない。しばらく行くがますますアブがまとわりつき刺される?始末。それでもう一度探して、シートで服の上を拭いたりしたら、やっとアブが殆ど来なくなった。
刺されたと思ったのは服の上からだったからか、軽く噛まれただけで、血を吸われた訳ではなかったからか幸い腫れてかゆくなることはなかった。アブの種類にもよるのかもしれない。同行の方の黒い衣服にとまる率が高かった。ストックを振り回して追い払おうとするのだが、次から次に現れる。虫除けの長袖シャツを着ていらしたが、アブには効かなかったようだ。
これが行きのタクシーの運転手さんが言っていたアブなのね。確かに車が通ると、大群が追いかけていく。車の排気ガスの炭酸ガスとか熱気とかに反応して追いかけるのだそうだ。
バスの現地連絡先に連絡して遅れるかもしれないと伝えるが、美濃戸からなら40分で来れるからと言われてしまう。しかしこの足ではどうかしら?
必死で歩くうちに、車が何台か通り過ぎ、最後の一台が止まってくれて、のりませんか?と言ってくださった。宿で同室になった若い方たちだった。ほぼ同じコースを歩いて来たのだった。まあほんとに助かりました。お言葉に甘えて乗せてていただいた。
道路を走っていて、最後は上り坂になるので、これでは一時間ではつかなかったわと思った。本当にありがとうございました。
おかげて八ケ岳山荘で私はソフトクリームを頂くことができ、同行の方はお風呂に入れた、ありがたいことでした。
バスはほぼ満員で定時に出て、渋滞を避け、大月郊外を走り、また高速に乗って、予定通の時間に着いた。
本当に滑落もなく、けがせずに帰れたことに感謝します。