21日
天気予報は悪かったが、何とか雲の隙間で登山できるかも、という希望的観測で、21日夜金沢への夜行バスに乗った。金沢行きの夜行バスで予約時一番早く着くのがJR関東バスの3列バスだけだったので、それを利用。トイレ付きだが、何か所かで休憩していた。ウィ〇―バスは申し込み時は到着が遅い便しかなく登山向きではなかったが、7月14日以降だったかは5時40分着予定のバスの運行が決まったとの通知があった。残念ながら4列シートでトイレなし。早い方が良いかなとも思ったが、もうJR関東バスはキャンセル料がかかる時期だったし、そのままにした
22日
前々日寝不足で、いつもよりは寝られたが、途中で目を覚ましてから、明け方まで眠れず、合計で4時間くらいの睡眠時間。その割には同行者の動向には気づかなかったので、思ったよりは寝ていたのかもしれない。通行止めの区間を迂回したらしく、20位遅れて到着した。私たちは、リーダーの友人が迎えに来てくださったが、バス利用の場合には、一ノ瀬のシャトルバスに乗り換えるところまで直行するバスは6時半出発だったから、間に合わなかったかも。7時発もあるらしかったけれど。
ともあれ、6時45分ごろ、友人のN氏の運転で、一ノ瀬に。車中で朝食のおにぎりを食べた。眠いけれど初めての土地なので、車窓からの景色を見ながら一ノ瀬に8:40ごろ到着。途中土砂降りもあり、増水した川の迫力を眺めながら、雨、奇跡的に止まないかな?と思った。
一ノ瀬では雨ほとんど止んでいた。シャトルバスに乗り換えることができた。往復切符は割引もなかったが、切符購入が込み合うこともあるかなと往復切符を購入した。
悪天候でシャトルバスも空いていた。なんと6時前から出ているとか。
細い道をくねくねと進み20分ほどで登山口のある、別当出会に到着。霧雨状の雨が降っていた。休憩所で雨具を付けたりの身支度を整えた。
登山開始9:15。最初一般的な登山ルートとして書かれていた観光新道から登り、砂防新道から下る予定を立てて登山届をヤマレコ経由でコンパスに提出していたが、雨の時は観光新道はぬかるんだりするから、砂防新道の方が良いとの地元のN氏の提案で、吊り橋を渡って砂防新道に入った。昔、今の天皇陛下が皇太子だった時に登山されるときに整備されたとか。雨で煙るなか、吊り橋は長くて少し緊張。しっかり板が渡されていたが、両側の金属ケーブルの柵?は粗くて、ちょっと怖かった。子供だとすり抜けそうだが、そういえば子供連れも登っていましたね。すごい!
整備されているとは言え、岩がゴロゴロの登山道は雨に濡れ、滑りやすい。両側の木々のおかげで、雨のあたりは弱まった。最初はギボウシや大きなウバユリが咲いていて、目を楽しませてくれた。このあたりは登り専用ルートと下り専用ルートがあり、下りの方が迂回する形になっていたが、登りルートで下ってくる人もいらした。かなり本降りとなっていた。センジュガンピも沢山見られたが、雨に濡れて、しぼんでいる花が多かった。
ギボウシ
ウバユリ
ジグザクの登山道に疲れて休憩しようとしたら、もう少しで中飯場の避難所(噴火時用?)があると言われて頑張って、10:30頃到着。トイレがあるが、小屋は開いていなくて、周囲にベンチがあって、軒下で雨がしのげた。羊羹などのおやつを頂く。
5分ほど休憩して出発。5分休むともう足がだるくなる。雨は止まない。時々平らな部分もあるが、淡々と岩の多い階段状の登山道を登ると、別当覗という場所にでた。晴れたら、別当のあたりが見えるらしいが、真っ白。
そこからさらに登り続けると、火口から2キロ地点という標識があった。白山は火山で今は地震情報1でまあ、安全らしいが油断したらいけないらしい。このあたりからミヤマキンポウゲが沢山見られるようになった。
ミヤマキンポウゲ
甚之助避難小屋まで1.1キロとかの表示があったが、なかなかつかない。やっと11:50甚之助小屋についた。小屋には雨宿りのグループが何組か入っていて、濡れたものをかけたりしていた。私たちも手袋とか手ぬぐいなどを干してから、おにぎりとかインスタントイタメシなどにお湯を注いで食べた。食後、雨具の間に一枚着たりした。私も薄いヤッケを間に来たが、新調のメッシュのTシャツはそのままにした。あまり冷えた感じがしなかったからだが、汗は背中を流れ落ちていた。
きれいな水洗トイレを使わせて頂いたが、今回雨具の下の財布を出せずに、チップは払えなかった。
こんなところにクワガタが。金属のすのこの間。
手袋の水を絞って、再度つける。軍手をお持ちになったN氏も、濡れても手袋していた方が暖かいことを実感されて、同じように濡れた手袋をつけていらっしゃった。
1:10出発。急坂をハアハア言いながら登っていく。ナナカマドの花が池になったところに咲いていた。
車百合が笹の間に一株だけあった。
南竜山荘方面と黒ぼこ岩方面への分岐に出た。このあたりから高山植物が増えてきた。車百合が一株だけ雨に濡れて咲いていた。
ハクサンフウロ(雨でつぼんでいる)
オタカラコウ
ヨツバシオガマ
このあたり左はかなり急な崖になっている。ちょっと転ぶと危ないので、慎重に登った。
それと気温が低いせいか、スマホのカメラ機能が時々おかしくなり、すぐに写真が取れなかったりした。ポケットに入れて温めると、写せるようになったり、再起動が必要だったりした。多分気温のせいかなと思ったが、湿気のせいかもしれなかった。
イブキトラノオが幻想的
ニッコウキスゲがあった。
ハクサンボウフウ?
イブキトラノオ接写 右はヤマブキショウマかな
崖のふちにシナノキンバイらしい大きな黄色の花も咲いていた。
何本かの沢がある。ごうごうとすごい音
コバイケイソウ
ミヤマダイコンソウ
シモツケソウがヤマブキショウマ?の中に。もっとたくさん咲いているところもあったけど、写真撮らなかった。
ハクサンフウロ
何?アザミ
黒い花-クロクモソウのつぼみかも。
さらにあえぎながら登ると、水場があり、その上に黒ボコ岩に出た。
急坂は滝のように流れて沢登り状態。靴が濡れないように岩の上を選んで歩く。そのあたり左側は切り立っていて、転んだら大変。その代わり、霧の中に轟音を立てて流れる滝が何本も見え、高山植物も幻想的に見えた。
イワギキョウ(実際にはもっと紫いろなのだが)
弥陀ヶ原への分岐を経て、やや緩やかになったハイマツなどの間の木道をたどる。大分気温も下がり、寒くなってきて、まだかまだかと思いながら重い足を進めると、階段状の道の先に、やっと建物がうっすら見えた。ひょっこり平らな場所にでて、白山室堂ビジターセンターに出た。風も出て寒いのですぐに駆け込んだ。ストーブがたかれて中は暖かい。
消毒、検温をして、受付へ。食堂はその一角にあり、5時半からですと言われた。宿泊棟は、周囲に分かれていて、私たちはクロユリ棟。あらかじめ一か月前あたりに、電話で「年寄でトイレが近いので下の段で、トイレの近い場所」をお願いしていたが、既に一番近い棟は満員とかで、少し離れていて、通路に一応屋根はあるが壁がなく、吹き曝し。サンダルに履き替えて移動するのだが、屋根の水が滴るところがあり、雨具を付けないと行けたものではなかった。さらに水場と言われたところはその先で、渡り廊下のようなところはなく、一応屋根はあっても壁がなく、強風の今日のような天気では濡れてしまうのだった。
良かったのは、コロナ禍の中、かいこ棚の下の部分で一区画に一人ずつ使わせて頂けた点だった。それでザックの中身を全部空けて、乾燥室でザックもぶら下げて干すことができた。
乾燥室で、レインウェアや手袋、濡れたシャツとか靴下とか、色々なものをハンガーにつるしてから一休み。部屋に暖房はなく寒い。私はザックカバーを部屋で外して、床に水が流れてしまって、入口にあったモップで拭いてみたが拭ききれず、寒い風雨の中、センター棟に行って、ぞうきんをお借りして、水をぬぐった。ザックカバーは土間で外すべきでしたね。
あれこれしているうちに男性陣は寝てしまって、私は5時半に食堂に行かないとならないので、皆を起こして、また風雨の中、置き傘を利用してセンター棟へ。食堂は余り混雑していなくて、ゆっくり食事をすることができた。男性陣はビールを召し上がっていた。アルコールを飲んだ方が血液循環良くなって、疲れが取れるのかも。少しだけ飲んだ方が良かったかな?
8時半消灯で、「乾燥室に夜の間干してあるものを置いておいていいですか?」と小屋の人に訊いたら、「8時半までですよ。衣類など間違えないでください」と念を押されて、私はてっきり夜の8時半で朝は暖房つかないのかなと思ったのだが、翌朝早朝には乾燥室も作動していて、置いとけばもっと乾いたのに片づけてしまって、靴などは半乾きで残念だった。しみるほどではなかったけれど。
ともあれ、トイレが近いとおっしゃったN氏は運転疲れもあってか、かなり熟睡されていたようで、私の方が布団が寒かったり、着替えたメッシュ肌着がきつくて寝られなかった上、一晩中続いた暴風と雨音に小屋の窓がガタガタして、寒いのにトイレに行く回数が多かった。静かだから雨やんだのかと思っても、トイレの渡り廊下に出ると雨が降っていたりしてガッカリ。
23日
ご来光を見るなら3時半ごろ起きて出ないとならないとのことだったが、多分この天気では無理ね、ということで、電気がつく5時半ごろに、私たちはゆっくり起きだした。
一応ご来光登山の可能性もあるかなと思って朝食は弁当にしてもらっていたので、それを食堂で食べてよいか雨の中聞きに行ってから、出発準備を整えて食堂に集合。お茶だけでも頂きたいと声を掛けたら、お味噌汁も頂けて助かった。ありがとうございます。見てみたら朝食はパンと洋風のおかずだった。それも美味しそうだったけれどね。
お弁当は棒状のお寿司で、涸沢ヒュッテのものよりは少し小ぶりだったが、酢が効いて、美味しかったが、私には量が多かったので半分はお昼に残した。男性陣は平らげていらっしゃった。
さて、ハクサンコザクラは咲いているのかしら?と、自然観察員の方にお聞きしたら、場所を教えてくださった。少し霧が晴れて、うっすらセンターの背後?に白山神社の建物が見え、その先の御前峰への登山道の途中にハクサンコザクラが咲いているところがあると教えて頂いた。
それでそこまででも行こうと思って準備しているうちに、少し霧が薄くなってきた。気温はどこで分かりますか?とお聞きしたら、温度計を教えて頂き、8度で外も同じくらいだろうと言われた。頂上は寒そう。小屋でありったけ着込んでいたまま、空身で結局御前峰に登ることにした。7:10
白山神社に軽くお参りして、登山道に入ると、N氏がこの辺にクロユリが咲いているはず、と言われてみたらクロユリがあちこちに咲いていたが、雨の中、何か虫みたいに見えてしまった。
御前峰への登山道
それから十字路の右手を見たら、咲いていました、ハクサンコザクラが。残念ながら雨の後で皆下を向いていたが。
それからジグザグに整備された岩の階段状の登山道を登ると、クルマユリの群落があって見事。
また登山道の脇にイワギキョウ、ミヤマオトギリ、ヤマハハコ、ハクサンボウフウなどが咲いて楽しい。傾斜は結構急で息が切れる。
ハクサンボウフウ?
イワカガミ
アオノツガザクラ
ヨツバシオガマ
ミヤマウイキョウ
やっと平らで頂上と思ったら、高天ヶ原の表示だが、周りは何も見えない。時々薄日も射してきた。このまま晴れてくれれば!と期待したが、それほどは晴れない。
帰りに撮った高天ヶ原の標識
ゆっくり一時間かけて、白山奥宮にたどり着いた。8:10一瞬薄日が差して、ご来光!
横を見ると、そのすぐ先に、御前峰の標識が立っていた。皆で写真を撮り合った。この悪天候の中、良く登れました!
それから、池のあるお花畑の方に周回するコースがあると言われたが、これから長い下山を考えて、そちらには回らなかった。十分に花は堪能できたので。後から考えると池も見ておきたかったかな?
帰りはしばらく雨も止んで、晴れ間もほんの一瞬見えたので、岩の道が乾きかけ。それがかえって岩を滑りやすくしていたようで、ほんの少し傾斜のある平らな岩のところで何回か滑りかけた。それで慎重に降りていった。
白山神社と後ろのビジターセンターが見えて来た。
まだ写真撮っていなかった花などの写真を撮ってから、ビジターセンターへ。
小休止してから、いよいよ下山。
続きは次の記事で。