天気予報が晴れのち曇りくらいからどんどん悪くなっていったのだが、当日は意外に午前中は晴れだった。予報では午後から雨なのだが、ちょっと信じられないような天気。それでつい、磐梯山に登りだした。
夜行バスは往復利用しかなく、出発が早いので、私達の足では間に合いそうになかったため、利用を諦めて、新幹線で郡山に出て、磐越西線に乗り換えて、最初は磐梯町からタクシー利用で、八方台登山口に出る予定だった。下山後登山口まで送迎して下さる宿を探して、予約していた。
一週間前になって、確認の電話を入れたのだったが、翌日あたりに「悪天候の予報だが、決行でよいかどうか?」のお電話を頂いたときに、タクシーで八方台に出るので、登り始めが10時過ぎになるので、下山が遅くなりそうだとお話ししたところ、少しでも早く登山口に着くように、なんと猪苗代駅まで迎えに来て下さり、八方台登山口まで送ってくれて、下山時にも迎えに来てくださるという。ありがたいお話につい、甘えてしまった。
猪苗代駅ですぐに宿のご主人を見つけて、ワゴン車に乗せて頂いた。磐梯山はくっきり晴れ渡った空に見えていた。とても午後雨とは思えない天気だった。
余談だが、学生時代に裏磐梯来たことがあった。確か雄国沼に行った時に帰りに裏磐梯に出たと記憶している。その時に五色沼にも寄ったのだったが、果たしてどこにとまったのか、まったく記憶がない。まだ新幹線もない時代だし。夜行列車を使ったのかな?苦労して登ったのに、すぐ近くに自動車道があって、ガッカリしたのだった。
猪苗代駅前から米沢猪苗代線を通り、五色沼入り口の物産館のトイレを使わせていただき、会津若松裏磐梯線(磐梯山ゴールドライン)から八方台登山口に出た。道々のブナの黄葉が見頃だった。
八方台登山口には9:50頃到着。写真を撮って頂いたりしてから、いざ登山開始。余分な荷物は預かって頂けた。
送迎車の中で、ヤマレコをセットしようとしたら、ダウンロードしていたコースが古い方だった。慌ててコースの変更をしようとしたが、登山開始した後でないとできないと出て、アタフタ。なんとか変更できたらしい。コースをたどり始めて、間違っているとはアナウンスされなかった。よかった!
今回は悪天候のことも考えて猫魔ケ岳の方もコンパスに登録してしまったので、下山通知をちゃんと出さないとね。(コンパスのキャンセルの仕方が分からなかった)
今回私はストックを忘れてしまった。今日は私はザックも軽めなので、大丈夫だろう。岩場はストックない方が良い事もあるし。
帰りは中の湯跡あたりなら電波が入るから下山してきたら宿に連絡入れるように言われて、中の湯に出たら、壊れかけの廃業した温泉宿の建物が2棟見えた。あたりは硫黄の臭いがして、温泉だったのか、水?が溜まった池のようなものが見えたが、天候が気になるので、素通りして、弘法清水という標識に沿って、細い登山道を登って行った。細かったのはちょっとの間で、まもなく車が通れるくらいの道になった。階段状に整備されていたり、木道があったりしたが、地味に淡々と登りが続く。ブナの黄葉がきれい。白樺の幹が日に照らされて光っていた。
もう降りてくる人も何組か見られた。5時ごろから登ったら、晴れ渡っていただろう。早く登れれば良かったのだが、前日夕方まで仕事だったから、前泊は無理。月曜も私は朝から仕事だから、早めの時間に帰るように時間を決めたので、日曜日に登るのも無理だったのだ。
ということで、多少大きめの岩もある道を坦々と登って行った。途中檜原湖が良く見える所や、爆裂火口跡が見える場所もあった。少し登ると、檜原湖の他にも湖が見え、さらに登ると檜原湖から秋元湖まで見渡せた。中の湯を過ぎてから風が強くなって、登るにつれ風はさらに強まった。
山肌を撒くように一度高度を下げて、また登りになり、笹の間の道を辿る。所々の紅葉が鮮やかになって来たが、なかなかお花畑との分岐に着かなかった。もう12時過ぎ。途中で雨も降りだしてしまった。
雲がかかった頂上部とナナカマドの実
やっと12時半ごろ弘法清水の小屋のあたりに着いた。
小屋の前から見た櫛が峰
雨はさほどではなかったので、重いザックを茶屋に置かせていただけないか伺って、預かって頂いて登りだしたのだが、レインカバーをしていて、サブザックを取り出すのを忘れてしまった。中に入れて頂いたので、あれこれ言うのもどうかと思って、空身で出発。慌ててレインウェアを着こんだので、下は半袖一枚。頂上付近、大丈夫かしら?お水も少なかったので、弘法清水を汲んで登り始めた。飴一個くらいはポーチに入っているかもしれなかったけど。往復1時間位ある。ちょっと不安にもなってしまった。
ともかくも細い登山道を登る。それほど息切れしなかった。少し登ったり平らになったりして展望の良いところに出た。
頂上部がうっすら見える
幸い霧が晴れて、檜原湖の方に雲がかかるのが見渡せた。海外からの二人連れが写真を撮ってくださったので、私達も彼らの写真を撮って差し上げた。それからまた登るが、風雨がどんどん強まってきて、降りてきた方に伺うと、まだ頂上まで10分かかるようだった。リーダーは送迎の方をあまりお待たせしてもいけないし、この風雨では頂上も真っ白だろうということで、13時ごろに折り返して下山することにした。
帰りに写したロープ部
降りていく中で次第に雨は弱まり、展望地で再度写真をとり、ひたすら降りて、弘法清水に着いた。お茶屋さんには台湾からの団体さんがお昼を召し上がっていた。飲み物などを頼んで、お弁当を食べたようだった。中国語ということは分かったが、話の内容はちんぷんかんぷん。でも皆さん無事に登頂したのかな?途中で合わなかったような気がするけれど。
私達も場所を開けて下さったところに座って、カップラーメンとなめこ汁、手作り生チョコを頂いた。リーダーは二種類の山バッジを購入。
30分ほどで、下山開始。ここは小屋の横にトイレブースはあるがトイレはない。携帯トイレをブースで使う形だ。それで利用はしなかった。
お花畑も興味あったのだが、霧が濃くなって、展望は見込めないし、迷うと危ないので、来た道を戻った。雨で滑りやすいから気をつけながら降りるから、少し時間がかかった。
帰りに写した崩落部らしい場所
カラマツソウが一つだけ咲き残っていたが強風でぶれてしまった。
中の湯にたどり着いて、宿の方に電話をして、普通は30分で登山口なのだが、40分位はかかると思うとお伝えした。電話してすぐに足が攣れてしまって、慌てて薬を飲んだ。幸い酷くはならず、すぐに回復したので良かった。
磐梯山頂への標識(これとほぼ同じ標識が頂上にあるようだった)
ツルリンドウの実
雨も大したことはなくて、最後はほぼ止んだ。中の湯までは結構風もあったのだが、その下は殆ど風もなく、地味に登ってきた道を地味に降りて行った。
行きに池が見えたと思ったあたり。
木道も見えて来た。
苔もきれい。
16時少し過ぎて登山口にたどり着いた。すでに迎えの車が付いていたので、すぐに乗って、宿に向かった。檜原湖から曽原湖の方に向かったあたりで、熟睡してしまって、気が付いたら、宿の前だった。
靴洗いがあったので、どろんこの靴を洗い、宿に入った。まだそれほど寒くはなかった。
荷物を整えて、お風呂に入らせていただいた。足が十分に延ばせる大きさの浴槽で、熱めのお湯で、疲れが取れるようだった。
6時からの食事は食堂で高い屋根が開放的な空間。テレビにはご主人が取られた裏磐梯の自然の写真が流れていた。ジャズがバックグラウンドミュージックとして流れていた。手の込んだ前菜に、サラダ、取れたてのトウモロコシのコーンポタージュが自然の甘さで美味しかった。前菜のアスパラに生ハムの取り合わせが、なかなか美味しかった。
次は白身魚のバターソテー。付け合わせはインゲンとひよこ豆など。程よいお味で美味しい。そしてふとメニューの札を見たら、ステーキまで出るようだ。その上、チョコレートケーキと書かれていた。
ステーキは小ぶりだが、とても味の良い牛肉で鉄板の上に出て来た。人参の小さなグラッセを上げたものとジャガイモの上げたものにブロッコリーが付いていた。
実は私がうっかり日本酒の会津誉の名前に惹かれて、頼んでしまったのがいけなかった。よく冷えた日本酒を頼んだら小さい瓶毎、出されて、私はグラス一杯だけ飲んだだけだが、美味しくてぐいぐい飲んでしまって、危ない状態になっていた。そうそう食前酒の梅酒も頂いていたのです。
学生時代の友人の実家が蔵元だったそうで、今は手放したそうなのだが、たしか会津誉と言っていたような気がしたのだった。
それでチョコケーキは遠慮しますとお伝えしたのだが、軽いものですからと言われて、そのままお願いしたら、立派なケーキに小粒だがイチゴが二つと生クリームが少しついてきた。紅茶もついてきたので、ついつい美味しく頂いてしまった。半分のサイズにしていただいたら良かったわ。
食べ終わって、2階のお部屋に戻る途中で、私はめまいを感じて、部屋に駆け込みそのままバタンキューと相成りました。この頃寝酒としてお酒飲むことが無くなったので(あまり寝酒の意味が無かった)お酒に弱くなっているみたいだった。
しばらく休んだら、体調は大丈夫そうだったが、12時ごろまで、心臓はドックンドックンとして、今度は余り眠れなくなってしまった。
まあ、何とか眠って、朝は6時ごろに起き出した。幸い筋肉痛は起こらなかった。
五色沼編に続く。