『先生ェ~』
と言っては、いつも太陽のような笑顔で接してくれた、そんなリカが旅立つ。
『浜松が一番スキ!』
そんなふうに言っていたリカは、お父さんの仕事の関係で、いくつかの引っ越し経験をしてきた。お父さんの仕事は、この国を守るもの。
離れるのは、それは表現しにくいほどの寂しさを持つのだけれど、それでも、そんな流れがあったからこそ出逢えた、そんな事実に感謝しよう。
でも、引っ越した先でも、この禅道空手を続けて行けることが、また逢えることが、せめてもの救いになっている。
僕達は、どれほどの時を過ごし、どれだけリカの笑顔に照らされてきただろう?
僕達は、どれほどの日々を重ね、どれだけリカの想いに癒されてきただろう?
どんなに遠く離れていても、同じ星空が見えるように、心のどこかで繋がれるといい。
どんなに時が流れても、同じ想い出を抱くように、心のどこかで願えるといい。
旅立つ人よ 遥か・・
でも、君を忘れない。