韓国語の反対語には興味深い語彙がある。最も目を引くのは「알다」だ。「알다」の反対語は「모르다」である。しかし「分からない」という独立した語彙がある言語はほとんどない。
「ある」の反対語である「ない」がない言語も多い。英語には「ない」に該当する語彙が確実にない。
「おもしろい-つまらない」「おいしい-まずい」がペアを成すのがふつうだが,韓国語では「재미있다-재미없다」「맛이있다-맛이없다」のように「ある」と「ない」による反意語がよく形成されている。
また,韓国語には「ないもの(없는 것)」はあるが,「あるもの(있는 것)」はないという謎かけがある。
「느닷없다(出し抜けだ,突然だ)」「덧없다(はかない,あっけない)」「부질없다(つまらない,無駄だ,むなしい)」「실없다(不まじめだ,ふざけている)」「어이없다(あきれる)」「어처구니없다(あっけにとられる)」「터무니없다(とんでもない)」「하릴없다(どうしようもない,どうにもできない)」「하염없다(とめどない)」……のように-없다はあるが-있다の付く単語が無いという意味だ。
これは日本語でも同じで,「くだらない(시시하다)」「つまらない(재미없다)」「かたじけない(고맙다)」「おぼつかない(불안하다,의심스럽다,서투르다)」「しがない(초라하다)」……など探せばいくらでもある。
先生の本ではなかったと思いますが、멋がある、の反対は없어보이다みたいになっていたような気がします。
最初に今出てくる雄と雌の話は難しいけど、この項はそうそう、そうだよね、って面白く読めました。