떨다と털다は似たような言葉で,ものに付着している小さなものを揺すったり衝撃を与えたりして分離する行為ですが,その使い方は微妙に異なります。
담뱃재(タバコ)の灰には떨다が,먼지(ほこり)には털다が使われます。よって灰皿は재떨이で,ほこりを払うはたきは먼지떨이です。
떨다には「払い落す」「はたく」という意味がありますが,国立国語院の표준국어대사전には“달려 있거나 붙어 있는 것을 두드리거나 흔들어서 떼어 내다.”という解釈が載っています。つまり「ぶら下がったり付いたりしていた物」を叩いたりゆすったりして落とすと言うことです。
タバコの灰は,もともとタバコの一部でした。タバコを吸うと,タバコの燃焼によって灰になります。そのため,タバコの灰は元々存在していたものであり,タバコ本体から分離させる場合は,떨다を使います。
ほこりは,最初は存在しなかったもので,衣服や物に微細な粒子が付着したものです。ですから털다を使います。衣服などに付いたタバコの灰をはたき落とす場合には떨다ではなく털다を使います。
このように떨다には,全体から一部を減らすという意味があります。例えば,借金が10万1000ウォンあったのに,10万ウォンしか返済しなかった場合,“천 원을 떨고 빚을 갚았다.”と言えます。取引をする際に“수수료는 떨고 주시오.”と言ったら,渡すお金から手数料を取ってくださいということになります。
商人たちがよく使う떨이という言葉からも,この点はよくわかります。떨이は,その日売れ残った残りの商品(またはそれを売ること,つまり「落とす」こと)を指す語です。
ほこりは小さな粒子でできていて,衝撃を与えると空中に散らばって「飛び散り」ますが,タバコの灰は一定の体積と重さがあるので,下に「落ち」ます。よって細かい粒子でできたほこり,フケ,砂のようなものを取り除くときには털다を使いますが。どろや米粒のように,ある程度塊になったり形状をしたりしたものには떨다を使います。「털다は飛ばし,떨다は落とす」と覚えておくといいでしょう。どっちがどっちかわからなくなったら,떨は떨어자다(落ちる)の떨と覚えておけば大丈夫です。
먼지(ほこり),비듬(ふけ), 모래(砂)…털다(小さな粒子を空中に飛ばす)
진홁덩이(どろ),밥알(ご飯粒)…떨다(ある程度の重さや形状があるものを下に落とす)
털다は,おもに「付着している小さな粒子や汚れなどをはたき落とす」という意味で使われます。例えば,服についたほこりを落とすときは“옷을 털다”と言います。
・흙이 묻은 신발을 탈탈 털다
・먼지가 묻은 옷을 탈탈 털다
*탈탈は,何かを払うときに出る軽い音を表現する擬音語です。
・오랫동안 펴 놓은 이불을 털었다.〔長い間敷きっぱなしのふとんをはたいた〕
・털어서 먼지 안 나는 사람 없다.〔はたいてほこりの出ない人はない(まったくやましい所のない人はいない) 〕
털다には「自分が持っているものをすべて出す」という意味もあります。
・가진 돈을 털다〔有り金をはたく〕
・밑천을 털다〔元手を使い切る〕
・사재를 털다〔私財を投じる〕
・재산을 털다〔財産を失う〕
財産・お金などを「はたく」というときに‘호주머니를 털다’‘지갑을 털다’というように털다が使われます。‘비상금을 털어서 보석을 샀다’といえば,「へそくりをはたいて宝石を買った」といいます。また털다には,人の財産を奪うという意味もあります。빈집 털이は「空き巣ねらい」のことです。
・옆집에 도둑이 들어 몽땅 털어 갔다.〔隣の家に泥棒が入ってそっくりかっさらっていった〕
一方,떨다は「ぶら下がったり付いたりしていた物を叩いたり揺り動かしたりして落とす」という意味でも使われます。竿(さお)でクリをたたき落とすは “장대로 밤을 떨다”といいます。
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