上級韓国語 - ちょんげぐりの世界

韓国語の勉強もそろそろビジネスクラスへ乗り換えましょう。上級韓国語をめざして,古狸案先生の授業は随時更新中です。

10 水肉

2009-02-28 | 動詞
韓国旅行のパンフレットを見ると,必ずと言ってよいほど」焼肉食べ放題」という広告が目につく。
確かに日本人が抱く韓国のイメージというと,焼肉と切っても切れない関係にあるだろうと思う。

ヨーロッパ各地で狂牛病が発見されたころ,お隣の韓国ではひと足お先に大騒ぎだったらしい。
韓国語でお肉のことを고기と言う。
この「肉」の前に動物の名前を入れれば「○○の肉」となる。

소고기 / 돼지고기

これからはちょっと例外の話だ。

牛,豚ときたらとり肉を忘れては話にならない。
鳥を表すハングルは새である。
しかしこれに肉という言葉고기を付けても「トリ肉」にはならない。
なぜならこの새というハングルには「食用のトリ」という概念が入っていないからだ。
「食用のトリ」は 닭。
そしてトリ肉は…

닭고기(トリ肉)

最近は韓国ブームということで닭갈비という食べ物の名前を聞いたことのある方もいるのではないだろうか?
もともと갈비という単語には「あばら骨」,もしくは「あばら骨の肉」という意味がある。

話をタイトルの「水肉」にもどそう。
もしかしたら「しゃぶしゃぶ」を思い浮かべた方もいるかもしれないが,これは「魚」を意味する言葉なのである。

물고기 

ところがこの물고기は食べられないのである。
なぜなら「鳥肉」のときと同じように물고기は食用の魚ではないからだ。
「食用の魚」はどういうわけだか「生鮮」という漢字語を使う。

생선

ちょっと腑に落ちないだろうと思う。
私もそうだ。

ところがある日こんな例文を読んだ。

물 속에 고기가 있다. 

もちろん水の中に肉がいるのだから,すぐ「魚」と思ったがけど,キャンプに行って生の肉を冷やすために,川の中に肉を入れたということは考えられないだろうか?

…なんてひねくれたことを考えつつ,改めて辞書を引いてみたら,もともと肉を表す単語고기自体に「魚」という意味が含まれていたのである。

それじゃ何かい!
という突っ込みもしたくなるのだが,いま生きている韓国人にこの質問をしたって野暮なだけだろう。
何か他に発見があったら随時報告するつもりではある。

余談だが생선という文字を前後入れ替えると선생になる。
韓国で先生を呼ぶときは敬意の念を込めて「様」に当たる語,님をつけて呼ぶ。

以前に通っていた韓国語学校に「魚先生(어 선생)」という方がいらっしゃった。
われわれは隠れて생선님とあだ名をつけていたのだ。


*古狸案先生の「役に立たないはずがない韓国語」から。(みなもとせいいち)

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