ある新聞記者が。ある会社の社長のことを‘○○○씨’と表現したところ,相手から激しく不快感を示す抗議が来たという記事を読みました。
本来,‘씨(氏)’は「青年になった人の姓や名前に続けて書いて,その人を高めたり,敬ったりする言葉ですが,個人的な文章の場合,目上の人には使いにくく,同僚や部下に使われる言葉です。
しかし,多くの読者を対象とした記事や公式な場では,誰にでも丁寧な言葉として‘씨’を付けることができます。例えば,かつて韓国の大統領を務めた金泳三氏や金大中氏のことを側近たちは面と向かって‘김영삼 씨’,‘김대중 씨’と呼ぶことはできませんが,公式の場で司会をする人やメディアなどは自由に‘씨’を使うことができます。
実際に‘씨’を使ってはいけない場合があります。それは他人に,特に目上の人に自分の姓を言うときです。誰かが“자네 성이 뭔가?”と聞いたときに,“예, 김씨입니다.”と言ってはいけません。
‘씨’は,書く場合に注意が必要な言葉です。同じ‘김씨’でも,あるときはくっつけて,あるときは分かち書きをします。‘씨’の品詞は,依存名詞(または名詞)と接尾辞の2つです。そのため,くっつけたり離したりするのです。
まず,“우리나라에는 김씨가 가장 많다.”のように,姓そのものを指す言葉の後ろには,くっつけて書く必要があります。しかし,人の名前の後ろ(または名前を省略して姓の直後につけるとき)では,分かち書きする必要があります。つまり,‘홍길동 씨’と言ったのちに‘홍 씨’と言うときは,離して書きます。
MEMO
‘띄어쓰다’という動詞はありませんが,「分かち書き」を意味する名詞‘띄어쓰기’という語はあります。したがって,“우리말 띄어쓰기는 참 어렵다.”のように使われる‘띄어쓰기’は,くっつけて書きますが,“그 말은 띄어 쓰기 쉬운데, 붙여 쓰는 것이 옳다.”のように動詞‘띄다’の活用形の場合は,分かち書きをします。
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