かずさんの、ふらり日々是好日の記

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521  輸入通関時の関税の納付方法アラカルト

2008-10-15 | 輸入
 輸入に伴う申告納税のための申告は、年間2000万件程度ありますし、延納を使わない限り、輸入品を受取るためには引取前の関税・消費税の納付が必須です。

 このことは、輸入品については、簡略、迅速、平易に税金を納付できることが特に重要であることを物語っています。

 つまり、法人税や、固定資産税のような税なら、年度で一回とか数回の納税頻度ですが、商社や、大メーカなら、毎日何十回も納税することになり、その度ごとに銀行に出向いてなんてことはおよそ時間とコストの無駄です。

 読者は、税金や社会保険料などの公金を税務署や税関に自分で収めたことがありますか?

 サラリーマンなら所得税や社旗保険料は会社が源泉徴収として天引きし、会社が納付していますし、消費税は、モノを買えば払っていますが、これもお店が借受をして納付してくれます。

 サラリーマンが公金を自分で納付するのは、自動車税や固定資産税など、ごく限られた機会ですが、10月までは、大きく分けて4つの手段がありました。

第一に、銀行や郵便局の金融機関窓口で振込む方法

第二に、コンビニの窓口で収納してもらう方法

第三に、ペイジーを利用するもので、これは、インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATMなどを介して納付するもの。 国税では、マルチペイメントネットワークを利用しての納付があります。

第四に、神奈川県藤沢市などが始めたクレジットカードを利用するもの

 これらの納付方法は、いずれも納税者側が、納税の都度、窓口やATM,ネットなどで納付するというアクションが必要ですし、クレジットカードのような場合は、実際に市役所などにクレジット会社が立替払いをするのに数日かかります。

  このため、上記第1~第4の方法は、NACCSで、申告すれば即時に納税が済んで貨物を引取れるような環境を作るには不十分でした。

 (注)従来のNACCSは、通関のスピードを維持するため、1978年の導入時から、専用口座を設けその残高の範囲なら、納税があったと見なして輸入を許可する方法を採用していました、いわば、納税方法のシステム化が進んでいなかったので、法令の手当てをして、ダミーの納税方法を編み出していました。これは先人の知
恵ですね。

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 そこで、12日のSea-NACCSの更改にあわせて、「ダイレクト方式」という新たな国税収納サービスが始まりました。

 これは、マルチペイメントネットワークを利用した電子納付方法で、輸入(納税)申告と同時に納税者の預金口座から直接納付するリアルタイム口座振替方式です。

 リアルタイムに確実に納税されますので、輸入通関のように、「膨大な件数について簡易に、即時に納税可能」という、NACCSの納税方法に必須の特徴を備えています。

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 余談を付け加えますと、通関業界における話題の一つに関税の立替問題があります。

 通関業者が、受託した輸入申告の関税・消費税の納税を荷主に代わって一時立て替えることが、広く行なわれているようです。ところが、その荷主が経営破たんすると、立て替えていた税金を荷主から受取れない事態が生じます。これが立替問題です。

 このような立替関税等の焦げ付きを防止するため、今回導入のダイレクト方で、荷主がその都度直接負担することを求めていこうと通関業界は考えているようです。

 たしかに、立替えた税金の回収が焦付くなんて、通関業界からは有ってはならないことですね。
 左の絵は、日銀本店です。




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