日々雑感

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長生き

2010年05月02日 | Weblog
長生き


約700年ほど昔に徒然草の著者 吉田兼好は40過ぎで死ぬのが上手な人生の生き方だと書いた。沈みかける夕陽のように余命が少ない身で子や孫のことを愛し、その行く末を案じるのはむさぼりの心ばかりが、つよくなって情趣を失うのが残念だと書いた。

南北朝時代と今では平均寿命が愛ほども違うから、自然体で高齢者が増えてくる。
問題は彼が指摘するような人生観、特に子や孫に対する思いは違ってきて当然だ。

親殺し、子殺しなどということが、毎日のようにあるが、それでもなお、親が子を孫を思うのは人生の理にかなっており、老人が一日も長く子孫の行方を見届けるために長生きしたいというのは、人情の自然である。

彼の言うようにあまり老人くさくならないうちに、この世を去りたいと思う人が、多数を占めるとは考えられない。要するに寿命というものがある限り、それまでは生きなくてはならないが、それが恥を多くかく年代と断じ切れない。

まあ子や孫の行く末を見守りたいと思って生きているということもさることながら、生きている限り、子や孫のことが気になるというのが人情の自然ではないだろうか。

だからそれを求めてなぜ悪いと開きたくなるし、情趣なんて優雅なことを考えている人は一体どのくらいいるのか。考えてしまう。

いつもは彼の説に飲み込まれて反論はできないが、この件については反対意見である。