顔
地下鉄で6人がけの座席が珍しく女性ばかりが並んだ。左端から右端まで、順番に眺めたが、どれ1つとして同じ顔がない。丸い豊かな顔から細面のキツネ顔まで微妙に違う。そして面の違いだけではなく顔のパーツがこれまた違う。もう少し鼻が下向きだったら、鼻の穴まで見えなくてもよいものを。目と鼻、眉、唇など一人ひとり微妙に違う。
いったいこの顔は誰が作ったのか。人工的にこれだけ精巧で微妙に違い、またパーツの配置が微妙に違ってできるものだろうか。作者はきっと神様である。
似た感じ、イメージの似た人はいても、同一人は地球上唯一の存在である。生物のパーツを決める原因とか差ができる自然の法則など一切知らないが、顔は個人を表す代表的象徴だ。この顔にそれぞれ個性がある。
その美醜は自分以外の人の美的感覚だ。
顔をあげると向かい側の席の若い女が微かに微笑んだ。
何が面白いのか。 1人笑いなんだ。僕もつられ笑いで頬が緩んだ。
地下鉄で6人がけの座席が珍しく女性ばかりが並んだ。左端から右端まで、順番に眺めたが、どれ1つとして同じ顔がない。丸い豊かな顔から細面のキツネ顔まで微妙に違う。そして面の違いだけではなく顔のパーツがこれまた違う。もう少し鼻が下向きだったら、鼻の穴まで見えなくてもよいものを。目と鼻、眉、唇など一人ひとり微妙に違う。
いったいこの顔は誰が作ったのか。人工的にこれだけ精巧で微妙に違い、またパーツの配置が微妙に違ってできるものだろうか。作者はきっと神様である。
似た感じ、イメージの似た人はいても、同一人は地球上唯一の存在である。生物のパーツを決める原因とか差ができる自然の法則など一切知らないが、顔は個人を表す代表的象徴だ。この顔にそれぞれ個性がある。
その美醜は自分以外の人の美的感覚だ。
顔をあげると向かい側の席の若い女が微かに微笑んだ。
何が面白いのか。 1人笑いなんだ。僕もつられ笑いで頬が緩んだ。