日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

トンネル

2014年02月18日 | Weblog
トンネル
>
東海道線には、京都出て鴨川の鉄橋を渡るとかなり長いトンネルがある。出て1分も走れば山科に着く。昭和20年代東海道線には汽車が走っていた。
当時は煤煙が入らないように窓を閉めることになっていた。夜汽車に乗って大阪から東京向かう時、夏は窓から風を取り入れるために、窓は開けっ放しにしていた。突然汽車はトンネルに入って、窓から細かな粒子を含んだ煤煙が入ってきた。
驚いて窓を閉めたが、煤煙は車内に広がったと思うと、あちらこちらの乗客が咳出した。煤が目に入ったのだろうか、目をこすっている人もいた。僕が窓を開けてしまったばかりに周囲の人々に大迷惑をかけてしまった。
自分の不始末で迷惑をかけたのに、当時誰1人として、僕が窓開けっ放しにしていたことを責める人はいなかった。もちろん怒鳴られることもなかった。
こえだかに苦情を言われないという事は自分にとってはこたえた。
今でもいつも山科トンネルを通るたびに、あの日の出来事を思い出しては、恥ずかしい思いをしている。
汽車から電車に変わった今、そういうことは起こりようがない。
>



>