夜、ドンドンと戸を叩く音がすると、わらの蓑(みの)をまとった「アマハゲ」です。
濁音で「泣く子は居ねえーがあ~」と叫んで家に入って来て泣き叫ぶ子どもを追い回す。
小さい頃は兎に角恐かった。恐ろしくて姿を見る余裕はなく、はっきりした記憶はありませんが、鬼の面というよりは顔に煤を塗っていたようだ。
ただ、母にしっかりつかまり、背にかくれて立ち去るのを待ったものです。
秋田県男鹿市は「ナマハゲ」として有名ですが私のところは「アマハゲ」と呼んでいた。
「ナ」も「ア」も似たような発音で、ずっと訛と思っていた。隣町の国道7号沿い道の駅「にしめ」のあるところが「海士剥」という集落で「あまはげ」と読みます。(あまはぎではありません、また、日本海側は海女よりも海士です)
山形県遊佐町では今でも「アマハゲ」がやってくる。観光協会が温泉旅館に見学ツアー客を呼び込んでいるとか。
私の生まれ育った土地は昭和40年代まで、山形県酒田市の商圏にありましたので、やっと納得しました。
2015.02.22
高野 孝