最近よく大きな事故のニュースがあって、近所でそういった目にあって亡くなった人が多いからか事故が目についてしまう。
息子の吹奏楽の演奏会帰りに国道を走っていると途中でお巡りさんに止められる。
なんだ?何か悪者が逃げてるのか???私の車みたいな色のやつに乗ってるとかなのか???
何だろうとドキドキして窓を開けると、
「この先、大きな事故があって全面通行止めなんです。別の道をまわってもらえませんか?」
3つくらい浮かんだ。でもどれもかなり戻るか遠回り。
それでも1時間近く遠回りしてほかの道で帰った。
いろんな車が渋々引き返してくるのが見えた。
そもそも事故ってどんなシチュエーションにしろどうしてさけきれないか。
昔、なにかのテレビ番組で見た。
日本の自動車学校とドイツの自動車学校の教え方の違いについて。
小さく細々と道が分かれている日本では先生が「右を見たか?左を見たか?ちゃんと確認したか?」
そう『予測』が重要視されて、ドライバーの視線をずっと追っている。
ドイツの先生はそんな日本の先生を見ながらビックリしている。
ドイツ流の授業が始まる。
「さあ、これから正面に車がある。あの車が高速でこちらへ突っ込んでくる。それをどうやって回避するかの訓練だ。」
そういって先生がまず運転してみせる。生徒は隣に乗っている。
「今アクセルを踏んでいるだろ、ほらあの車が突っ込んでくる。いったんブレーキ。急な原則でハンドルが取られないためにココでアクセルに踏み換えて路肩にハンドルを切る!」
大きな音を立てながら車は路肩に逃げた。
「さあ。次は君の番だ。」と交替する。日本の先生は感動していた。
『テクニック』を教えていたんだ。
この違いは不意なトラブルが起こらないように心がけるというより起こって当然。その時自分はどうするのかという視点があって、それはドイツの道路事情があるのだろう。
それではツバメやヒョウのように早い動物は動物同士でなぜぶつからない。
車を運転しているとタヌキはよくひかれている。でもツバメや山鳥が頻繁に車にぶつかっていたりはしない。
車の高さを飛ばないから当たり前かもしれないけれど、気圧が低いときツバメは低空で飛ぶことがあるけれど走る車の横を颯爽と切り抜けていく。
自分の身体能力で出せる速度と洞察力は比例しているのだと思う。
素早く動ける動物にはそれなりの洞察力があって、ハエを叩いたと思ったら逃げられてしまうのもそう。
そう思うと、時速4キロ程度でしか動くことができない身体能力の人間が、50キロや100キロのスピードの時の洞察力が追いついていないのは当たり前じゃないか。
道を知っていても不意なことに反応できることにも限界がある。
まあ、当たり前だけどもだからそんな程度の洞察力、身体能力を補えるのは「予測」でしかない。
だから何度も確認するしかないし、それでもやってくる問題にいつでも覚悟して対応するつもりでいなければならない。
私には時速4キロ程度の洞察力しかないこと。100キロで進んでいても4キロくらいの身体能力を、「予測」と「テクニック」だけで補わなければならないこと。
まあ4キロの身体能力の私が100キロを出すのはツバメやヒョウたちからすると随分思い上がっていることなんだろうとそんなことを新聞を見ながら考えていた。