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志麻子は妊娠中でした。
お腹の子供によく、
志麻子の赤ちゃん!聞こえますか?とお腹に向かっていた。
志麻子はいつもゴロゴロと鳴らしていた。幸せのゴロゴロだ。
胎教にいいはずだ。
志麻子は昨日、お母さん、タンスか押し入れ開けてと言った。
ダメだよ。お産の場所にしようと思ってるんでしょ。
志麻子はうろうろしていたけど自分の部屋に行った。
今朝、志麻子は落ち着きがなくてずっと鳴いていた。
草むしりしている私のそばに、近所のえっちゃんが来た。志麻子は威嚇して私の前に立ち、睨み付けた。
志麻子。やめなさい。
私が家の中へ入るとついてきた。ずっと私から離れなかった。
本屋へ行こうと準備をしてると鳴き出した。出掛けるのだとわかっていた。そばにいてくれと志麻子は鳴いた。
すぐ帰るから。
30分くらいで帰ると玄関を開ける前から鳴いていた。洗濯物を干すときもご飯を作るときも離れない。
様子がおかしかった。
志麻子が大きい声で鳴き出した。
志麻子。お前、陣痛じゃないの?
息子が様子を見てくれていた。
破水した。
あ、もうすぐだわ。お母さんもお前を産むときそうだったの。
息子は段ボールにタオルを敷いて準備して、私たちがいつも座るところにおいた。
でも志麻子は何度か陣痛に苦しんだあと自分の部屋にいっていつも寝ているところでお産をした。
志麻子は二回目だ。今回は早いスピードで三匹の子供を産んだ。
後始末が終わる頃に水を運んだ。
志麻子はゴロゴロと鳴らして自分の子供たちを見せてくれた。
よくやったね😃と頭を撫でるとゴロゴロは大きくなり、幸せいっぱいの様子だった。
誰も教えられたわけじゃないけど母になる。
母は生き物に備わる本能だ。