ケベックリタイヤ日記

ケベックでリタイア暮らし。ながらえば憂しとみた世も今は忘れた。毎日悦びの種をみつけてぽりぽりかじりたい。

阿蘭陀万歳

2019-03-07 07:52:33 | 観る
 ことほぐは万蔵歳蔵オランダ生まれ

 年が明けたと思っていたらもう3月。書きたいこと山ほどあれど老化で追いつかづ。今週は来客が続き、昨夜は義父母を夕食に招待、今日の午後は日本人とケベック人の二人の訪問、明日は義弟が泊まるであれこれの用意、といってもすべてにおおざっぱなので適当にしてます。超簡単なレシピですませます。昨夜のメニューは人参入りマッシュポテト、ズッキーニのソテーに鳥の照り焼き、デザートはフルーツゼリーで美味しいと喜ばれました。早い、安いは得意ですがプラスいつでも美味しいを目指します。ときどき失敗しても知らんふりしてお出ししてるので。

さて、とても感動した阿蘭陀万歳について、せめてメモとして残しておこう。日本伝統芸能テレビ鑑賞は全く未知の世界故、眠くなる時もあります。またどんなに名人芸といわれてもピンとこないものもあります(楽しめるキャパが不足でいつかわかる日まで気長にね)。今回は引き込まれ、ときめき、最後はおもわづ画面の前で拍手しました。

常磐津の声にがっつりハートを鷲掴みにされ、太夫と才蔵を演じる二人の役者に見惚れました。昭和8年の創作なんですね。漂流し日本にたどり着いたオランダ人が生きるために万歳を覚え糧とする。郷愁にとらわれる場面ではおもわずほろりとしました。二人の役者の何と素晴らしいこと。YOU TUBEで観れないのが残念です。長崎でもおくんち祭りで披露されるとのことですがレヴェルが格段違います。極上の芸とはこういうものかと感嘆します。

地唄 常磐津 千東勢太夫(すばらしい CDを手に入れたい)
太夫 花ノ本寿(年齢を知ってびっくり 若ーい)
才蔵 花柳大日翠 (若手の女性 あの若さでこの芸 ありがとう)



来週は源氏物語の京舞です。葵の上と夕顔。手元にある源氏本で予習しておこう。

生きてるとこんな出会いがあるんですね。ネット時代に感謝です。

雛ケーキ

2019-03-04 13:13:50 | 食べる

 梨缶を桃缶とたがえ雛ケーキ

 朝9時から夕方4時まで夫の仕事関係の会議が我が家であり、休憩タイムにイチゴでひな祭りケーキをと思いスーパーに行ったらまあイチゴの高いこと。イチゴはパス。桃の缶詰が2缶で300円とありこれで代用しようと買って家に帰ってみたら梨缶だった。老眼鏡忘れたのよ。よっしゃ、ケーキをつくったるでーと意気込まず、あれも省略、これも省略と、安い、早い、簡単をモットーに作ります。材料費は卵4個、生クリーム半分使用、梨缶で合計500円ほど。6人で食べるので一人分100円にもなりません。何を省くかと言うと、絞り出し器を使ったデコレーションと、梨の飾りの艶出しに使うアプリコットジャム。生クリームも控えめでスポンジ生地が丸見えです。遠くからおいでになる方もおられ、お疲れ様デザートでもあります。木曜日にもお客様があり、残り半分の生クリームはムースに使おうと思ってます。これも超簡単ムース。でもね、結構おいしいの、というのは隠し味にメープルシロップ入れてるんです。
 






2019-03-01 19:38:14 | 俳句
 鶯の身をさかさまに初音かな (其角)

 今年のケベックの冬は厳しい。スーパーや倉庫の屋根が雪の重みで落ちたり、アイスバーンになった道路で玉突き衝突事故があったり、大変ねーとつぶやいていたら私の部屋が雨漏り、パソコンを半地下に移動したら起動せずと、よそ様に起こることは他人事でないですね。雨漏りは応急処置ですまし春になったら修理します。おかげで断捨離が進み部屋がすっきりしました。

 10冊あるかないかの俳句関係の本を読んでいたら、こんな文章に出会いました。

「 江戸俳諧には、少なくとも、あまりに表面的な意味と風景しか写されない多くの表層的な現代俳句とは異なる、奥行きのある句、二重三重の句、そして野暮ではない滑稽とエロスの味というものがある。時にはデカダンスの味もする。この世紀末、上質のデカダンスのどこにも見当たらぬ寂しい時代にあって、其角のデカダンスの何と上等なことであろうか。」

                 飯島耕一 虚栗の時代 芭蕉と其角と西鶴と 49P

飯島氏によると俳句人口は500万人と言われるそうでアマチュア歌人が90パーセント、本物としていいのは30人ぐらいであり、その自分で本物と思っている俳人の月並みぶりが著しいと手厳しいです。

俳句は、俳句そのものの鑑賞に加えて一流の読み手による解釈の深さを味わう楽しみがあります。凡人にそうそう簡単にわかろうはずがなく、何度も何度も読み返しながら謎解きのようにわかってくる楽しみがあります。単純に其角に魅かれていたのですが、永井荷風も其角を評価しているんですね。又、吉田健一が飯島耕一の親友であった安東次男の芭蕉解釈を絶賛していると知りました。

3月の切り抜きコピー絵画を何にしようかと数冊しかない画集をめくりながら田中一村の白梅高麗鶯図と紅梅丹頂図にしました。十年ぶりぐらいに開いた画集、この画家の絵は画集を広げるたびみずみずしい驚きがあります。夫に画集をバラバラにしてもったいなくないかいと言われますが、毎日眺めてこその楽しみにかえられません。さて、冒頭にあげた其角の句、ほのかなエロスありますね。



そうそう3月は埼玉アリーナで羽生選手が参加します。彼が悔いのないスケートができますようお祈りしてます。