
雫の兄弟
川辺に暮らす雫の兄弟がある日、海を見て驚きました。
「うわぁ、こんなに大きい川があるとは。」
弟の雫が兄の手をつかんで驚き口をぽかんと開いた。
「これは川ではないよ。海というんだ。川が集まって海になるんだ。」
兄は弟の無知を悟らせてやりました。
すると、弟はすまないように顔を赤くしていましたが、また言いました。
「兄さん、海は何個の雫でできているの。そして一番大きな雫がどれぐらいなの。これぐらい。」
弟は2本の手を広げて大きな円を描きました。
「さあ、、」
今度は兄がすぐに答えを出せませんでした。
弟が首をかしげて兄にたいしてとても失望したという表情をしました。
「わかった。海を知るためには生みになるしかない。俺が直接生みに行って調べてきて話してやるから。」
兄は弟を失望させるわけにはいかないのですぐに海に飛び込みました。兄は海に飛び込んですぐに海になってしまいました。
海になってしまった兄は弟のところに帰ってくることができませんでした。海が何個の雫でできているのか、一番大きな雫はどれぐらい大きいのか話してやりたかったけど話してやることができなかった。弟は勇気を出して海に飛び込むことだけを待つしかなかった