
消えてこそ香だ
ジェジュ島に咲く千里香と万里香、二つの花が互いの香が遠くへ香るといい争いになった。
「私は海を越えてウヮン島までいくわ。帰ってくるときはチュジャ島を回って来る。」
「はは、そうか。私はウヮン島を過ぎて光州まで行く。ある時にはソウルまで行く時もある。私の名前が何だって、万里香だ。」
風が過ぎて彼らの言い争いを聞いた。
「香が遠くまで行くと言って、皆きれいな花じゃないか。」
風は礼儀正しく一言言って海を渡って行った。
風は海を渡って遠く白頭山まで行って何日かゆっくり休んでまたチェジュ島のハンラ山に帰ってきた。
千里香と万里香はその時まで互いに自分お香が遠くに行くと言い争いをしていた。
風は気の毒だと言うように彼らにもう一度言った。
「香と言うものは消えてこそ香だ。無条件に遠くに行くと言って本当の香ではない。香と言うのはすっとかすめて消えることで永遠に存在するのだ。香が消えないで長らく一箇所に留まっていたらそれは匂いに過ぎない。」