退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

泣かないで花を見なさい

2014-07-29 05:19:26 | 韓で遊ぶ

ダチョウの夢
ダチョウと言えば誰でも見る夢、それは他でもない、他の鳥と同じように悠々と空を飛ぶことだ。しかし、大部分のダチョウはその夢を見てもすぐにあきらめてしまう。すでに多くのダチョウが飛ぶために、ありったけの力を出して走ってそのまま崖から飛んで死んだという事実を誰でもよく知っているからだ。
しかし、唯一一羽のダチョウだけは空を飛ぶ夢をあきらめないでいた。伝説のように降りてくる先祖たちの話、先祖たちが以前は鳥のように悠々と空を飛んでいたという話を、彼は固く信じていた。しかし、どんなに努力して固く信じていても、その努力と信心が彼を飛ぶことができるようにしてはくれなかった。
ダチョウは絶望のあまり風の吹くある日、夕焼けの野原にたって神に訊いた。
「神様、どうしたら私も他の鳥のように空を飛ぶことができますか。なぜ私たちは飛ぶことのできない鳥に作ったのですか。」
神は何の答えもくれなかった。ただ野原に強い風だけが吹くだけ、はじめから彼を見もしなかった。ところがその時風に乗って一羽のハゲワシが彼のそばに飛んできて翼をたたんだ。
「ハゲワシさん、どうすれば私も君のように跳ぶことができるだろうか。私たちは同じ鳥じゃないか。」彼はうらやましそうな目でじっとハゲワシの翼を見つめた。
「はは、それは簡単なことだ。私を一度愛してみなさい。」
ハゲワシがそれは本当に大したことでもないようににっこりと笑う顔で言った。
「冗談を言うな。」
「冗談じゃない。」
「それならお前を本当に愛したら解くことができるのかい。」
「そうだ、だけど、私を愛そうとすると苦痛がたくさん伴う。」
「大丈夫、飛ぶことさえできたら、どんな苦痛に苦しくない。」
ダチョウは死んで地獄へ行くことがあったとしても、飛ぶことができたら、そのどんな苦痛にも靴に感じないように思えるようだった。
その後長い時間が過ぎた。ダチョウは老いて少し走っても息が切れた。時速160kmで走った時こそが若さを満喫した頃だった。
「ダチョウ君、君は今でも私を愛しているのか。」
ある日、ハゲワシがダチョウに訊ねた。
「もちろん、愛している。」
「いまだに飛ぶことができなくても。」
「もちろんさ、それでも愛している。」
ダチョウはハゲワシを愛しているにもかかわらず飛ぶことのできない事実に一方ではハゲワシが憎かったが彼を愛していると言った。空を飛ぶ夢だけはあきらめることができなかったせいだった。
「いや、ダチョウ君、君は私を愛しているのではない。飛びたいという自分の欲望を愛しているのだ。それではお前は飛ぶことはできない。私を本当に愛する時にだけ、お前は飛ぶことができる。愛には条件があってはならない。愛には犠牲が伴うものなのだ。お前はそれを知らない。私たちを愛する神の愛を見てみろ。盲目的な部分があるじゃないか。純粋な愛にはある程度盲目性がなければならない。苦痛までも受け入れることが愛と言うことだ。ところがお前はそうできない。だから飛べないんだ。」
ハゲワシは一生懸命話をしたが以前とは違って声に力がなかった。ハゲワシはすでに翼が弱り老いていっていた。
その後ハゲワシはもっと年をとった。いつの間にかハゲワシは前が見えなくなった。目の見えないハゲワシはちゃんとえさを探すことができなかった。ハイエナが食べ残した鹿の肉がどこにあるのかさえ探せなかった。
ハゲワシは骨と皮ばかりにやせていった。
「ダチョウ君、私はおなかが空いて死にそうだ。本当にすまない話だが、お前が万一、今でも私を愛しているならお前の太ももの肉をひとかけらちぎって食べさせてくれるか。」
ある日おなかが空いてこれ以上我慢できなくなったハゲワシがダチョウを訪ねて重い口を開いた。
「いいよ。食べな。」
ダチョウは一方の足をハゲワシにさしだした。ハゲワシはダチョウの一方の足をあたふたと食べつくした。
何日かたつとまたハゲワシがダチョウを訪ねてきて頼んだ。残りの足も食べさせてくれと言う懇切な頼みだった。
ダチョウはあきれたがハゲワシがすぐにでも死にそうだったので残った足も差し出した。
両足をなくしたダチョウはこれ以上あるこことができず、体で地を這って動いた。すると他のダチョウが彼を見てからかった。
「飛ぶどころかもはや足までなくしちゃって。この、大ばか者。」
他のダチョウの後ろ指は終わりがなかった。
彼は悲しかった。他のダチョウがこれ見よがしに最高のスピードで走ることを呆然と眺めて、もう空を飛ぶ自分の夢をあきらめるときがきたのかと思った。
彼は何日か眠ることができず、そしてその夢をあきらめてしまった。すると、これ以上生きたいという思いがなくなった。彼はゆっくりと残った力をずべて使って崖のほうに這っていきそのまま崖から飛び降りてしまった。
ところがこれはどういうことだろうか。彼は死なないで悠々と空を飛んでいた。はるか地上にはあちこちに走っているダチョウの姿が一目で見下ろすことができることを知って彼は驚かないではいられなかった。ハゲワシに両足をやってしまった時、神様が彼を美しいと思い、飛べるような力を翼に与えてくれて事実を彼はその時までもよく知らないでいたのだった。
コメント
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