退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

울지말고 꽃을 보라

2014-07-22 05:21:20 | 韓で遊ぶ

絵の外に飛び出した鳥
干潟の広がった海辺の風景を描いた絵の中に赤いシギ一羽が暮らしていました。絵の一方の角の小さな磯の上に座っているシギはいつも絵の外に飛んで行きたかった。
「あ、私もあの青い海の上を一度飛んでみたら、、、」
シギはほかの海鳥のように翼をさっと広げて水平線の上を思う存分一度飛んでみることが夢でした。だから、ある日自分を描いた画家に絵の外に出してくれと哀願しました。
「おじさん、私を絵の外に引き出してください。私を描いたのだから出すこともできるじゃないですか。」
シギの切実な訴えにもかかわらず画家は頑固でした。
「だめだ。お前は絵の中にそのままそうやって座っていなさい。それがお前の運命だ。」
画家はそれ以上言葉もいえないぐらいカッとして怒鳴った。
それでもシギはあまりにも飛びたい気持ちでもう一度画家に言った。
「一度でいいです。ただの一度でいいから飛ばせてください。」
「だめだったらだめだ。」
画家は怒ったというように手に持っていた筆をぎゅっと握った。
「またそんなことを言ったら、この筆でお前を消してしまうぞ。そうしたらお前はこの世から永遠に消えてしまうんだ。それでもいいのか。」
シギは悲しかった。これ以上何の言葉もできず絵の中の磯にぼんやり座っていた。
いつの間にか夜空には星が輝きだした。シギは涙を拭いてどうやったら天高く上がっていけるのか星に訊ねた。星はみな知らないと首を振った。
シギは明け方まで眠ることができずにいて、夜が明ける時まで、最後の残った明星にもう一度訊ねた。
「どうしたら私が絵の外に飛んでいくことができるだろうか。その方法を教えてくれることはできないか。」
「うーん、それは、、、」
明星はしばらく口をつぐんでいたが注意深く口を開いた。
「それは、本当に難しいことでもあり、本当に簡単なことでもある。お前が本当に誰かを愛すことができたならば、絵の外に出ることができる。」
その日から、シギは絵の外にあるすべてのものをより愛した。廃船になった漁船と、遠くの無人島に暮らす松の木とカモメと、干潟の中に暮らすごかいまでもみな愛した。
しかしシギは絵の外に出ることはできなかった。翼を一度広げてみたが微動だにしなかった。だから今度は絵の外の画室に暮らす電話機と人形と花と仕舞いには泥棒猫やゴキブリまでもみな愛した。だけど、シギは絵の外に出ることはできなかった。
シギはまた、悲しみに陥った。明星を恨む心がいっぱいに上がってきた。
「お前が言ったとおり愛すことができるすべてのものをみな愛したのに、絵の外に出ることができない。もしやお前は私にうそをついたのか。」
「いいえ、それはあなたが簡単に愛することができるものだけを愛したからです。それは本当に愛したことではない。」
明星は自分を恨んでいるシギを   目で睨んだ。
「それならばどうしたら本当に愛することができるの。」
「それは私もよくわからない。お前が自らお前の力で悟らなければならないことだ。」
シギはいらいらした。何をどのように自ら悟らなければならないのか知ることができず、毎日海ばかり眺めていた。」
遠く無人島には赤いくちばしのカモメが飛んでいた。いつからか、カモメが絶壁の割れた隙間に卵を産んで、いつの間にかカモメのヒナが卵から生まれていた。
シギは思ったとおりに空を飛ぶカモメがうらやましく一瞬たりともカモメから目を離すことができなかった。と孫から生まれたヒナはまだ飛ぶことはできなかったが、母カモメがくわえて来るえさを口を大きくあけて上手く食べた。
そんなある日、何事が起こったのか一日中母カモメが見えなかった。ヒナは夕方ごろになるとおなかをすかして巣の外に体を半分ぐらい出してチーチー泣いた。
「本当におかしいな。こんなことは一度もなかったのに、、、何か事故でもあったのではないか。」
シギはそんな思いをしながらずっとヒナから目が離せなった。ところがその時、あまりにもおなかのすいたせいだったのだろうか。ヒナ一羽がそのまま体の均衡を失って巣の外の絶壁の下に落ちた。
瞬間、シギは自分でも知らないうちに絵の外に飛んで行った。ひたすらヒナを救いたいという思いだけだった。
コメント
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