
星を数える夜
生涯夜の星だけ数えてきた人がいました。今までその誰も夜の星が何個なのかその数を数えることはできず、これからも永遠に数え切れないことにもかかわらず彼は長いこと夜の星だけを数えていました。
そんな彼を見てある日かわいそうだと思って夜空の星が訊いた。
「あなたはなぜ私を数えるというそんな虚しいことに窓外を捧げますか。」
すると、星を眺めながら彼が言いました。
「虚しいですって。それはあなたを愛する私なりの方法です。私はあなたがいくつなのかその数字を数えているのではありません。私はただあなたを眺めていることが好きで夜毎あなたを眺めているだけです。」
彼の言葉に星はしばらくの間口元に微笑を浮かべていました、また口を開きました。
「実は、私も夜毎地球に暮らす人の数を数えています。それもまたあなたが言うように人間を愛する私なりのひとつの方法だからです。」