
木はなぜ人と話をしないか
以前は人と木と葉は互いに話をした。気が人に「こんにちは。」というと、人も木に「こんにちわ。」と言った。木と人の間に話す事のできない言葉はなかった。
ところが、ある日から木は人と話をしなくなった。気がただ、人に口をつぐんでしまったのだ。それは木を愛していた一人の少女に発したことのせいだ。
少女は毎日朝木のところに来て水をくれた。
「よく眠れた。のど渇いていない。」
「いいや、大丈夫。君もよく寝たの。」
木は自分を愛してくれる少女が本当にありがたかった。どうすれば少女を喜ばせることができるかという考えで心がいっぱいだった。
少女はすくすく育った。木もまたすくすく育ち少女においしい実を日陰を提供した。
どれぐらいの歳月が流れたのか、少女は一人の男に出会った。木は少女が自分にもたれかかったまま愛する男の胸に抱かれ手いる姿を見ると心がいっぱいだった。そういう時は日差しがゆらゆらする澄んだ風と日陰を提供した。
やがて少女はその男と結婚することになった。結婚四季は鬱蒼と育った木の下で開かれた。木は新婦になった少女がとてもきれいなので一度でも人になりたいと思った。
時間が早く流れた。そしてすべてのことが変った。少女を愛していた男がもはやこれ以上少女を愛さなくなった。
「私たち別れましょう。私もあなたを愛していないわ。」
いつの日からか彼らは木の下で喧嘩を始めた。
「私はあなたにだまされたわ。私の人生を返してよ。」
彼らは日がたつごとに喧嘩が多くなった。
そんなある三日月の夜だった。その夜の県下は激烈だった。喧嘩の末に男が少女の首を切って少女は機の下に倒れ域を引き取ってしまった。
木は驚かずにはいられなかった。人が一言の言葉のせいで殺人まで犯すという事実があまりにも衝撃的だった。その事実は木と葉の間にすぐに広がった。人が言葉によって殺人まで犯すという事実にあまりにも驚きみな口をつぐんだ。
それ以後木と葉は誰も人と話さなくなった。人と木の間の意志疎通の道がそれで切れてしまったのだ。
しかし、まだ木と葉が忘れないでいるただひとつの言葉がある。それはまさにこの言葉だ。「愛している。」