★★★★★★☆☆☆☆
リバイバル上映をしているのを知り、劇場へ。平日の昼間なのに、結構、人が入っておりました。
リヴァー・フェニックスといえば、『スタンド・バイ・ミー』でしょうが、私、その名作と言われる作品を見ておりません。そして、彼の他の出演作も、1本も見ておりませんので、彼がどれほどの俳優さんなのか知らず、やはり夭折したことで半ば伝説になっているのかしらん、程度の認識でおりました。
で、本作です。なるほど、彼は美しいです。男娼やっても、そりゃ、客がひっきりなしにつくでしょう。しかし、美しいだけで、金もない、学もない、親もない、家もない、、、では、彼の先行きは真っ暗です。それだけに、キアヌ演じるスコットに愛を告白するシーンは哀しいですねぇ。スコットに彼と一緒に堕ちる気なんかサラサラないわけで。
スコットは、ああいう人っていますよねぇ。アマちゃんのくせに、地位も名誉もある親に一応反発しといて、いざとなると、その権威をかさに着て既定路線にアッサリ戻る人。こっち側の人間からすれば、あっちに戻るつもりならこっちに来るな、ってとこですが、あんな美男子の育ちの良いあっち側の人間がこっち側に舞い降りてきたら、クラクラしちゃうのも仕方ないよね。マイクの気持ちも、まあ、分からんではないです、ハイ。
でもまあ、映画としては、本作はイマイチですね。非常にかったりぃです。リアリティを追求しているかと思えば、途中でストップモーション的な映像が差し込まれちぐはぐな感じがするし、多分、作品としてあまりにも抑揚がなさ過ぎなんでしょうなぁ。一見ダラダラなアルトマン作品なんかは、やはりバッチリ計算された掴みとか転換とかオチとかあるわけで。本作は、まあ、そういう構成的な未熟さと、若干説明不足なところが大きな減点要素ですかね。
リヴァーについては、美しいし、演技も素晴らしく、惜しい人材を失ったのだな、と今さらながら思いました。他の彼の出演作も追々見て行きたいですね。