福ちゃんの散歩道

コロナ禍で関空での遊びも卒業、栂地区ウオーキングコースを中心に近場の日々の散歩で何か見つけよう。🚶‍♂️🚶‍♂️

【難読漢字】「行脚」って読めますか?学校で習ったことがあるかも? 現代ビジネス編集部

2021-07-05 00:05:00 | 難解漢字 現代ビジネス 連載
【難読漢字】「行脚」って読めますか?


学校で習ったことがあるかも?


学校で習ったけど思い出せない

突然ですが


「行脚」という漢字


読めますか?


難読漢字として頻繁に目にするので


ご存知の方も多いかもしれません。


気になる正解は…

正解は「あんぎゃ」でした!


わかりましたか?


現代ビジネス編集部


行脚とは

行脚とは、仏教の僧侶が修行のために諸国を歩き回るという意味の言葉です。読み方は「あんぎゃ」。本来は仏教の修行のみを指す言葉でしたが、次第に浸透し「パンの食べ歩きで地方を行脚した」や「お詫び行脚の毎日だった」など、何かの目的のために地方を練り歩くことも指すようになりました。

行脚の由来

先述の通り、行脚は仏教用語にゆかりのある言葉です。仏教僧は修行や布教のために徒歩で各地を回っていました。このように各地を歩き回る修行僧のことを「行脚僧(あんぎゃそう)」と呼びました。

最初は僧侶の修行のみを指す言葉でしたが、一般にも広く浸透し、何らかの目的のために各地を歩き回ることを「行脚」と呼ぶようになりました。

厳密には徒歩での移動のみに使う言葉とされていましたが、車や飛行機などの移動手段が発達した今ではその括りも薄れつつあるようです。

なぜ「あんぎゃ」と読むの?

その字の通り「脚を使って(各地を)行く」「行脚」ですが、「あんぎゃ」という読み方にぴんとこない方も多いのではないでしょうか。特に「行」を「あん」と読むのはめずらしいですよね。

漢字とはそもそも中国から日本に入ってきた文字です。そのため、漢字には中国からの伝わってきた読み方がもとになっている音読みと日本で生まれた読みの訓読みがあります。行脚の「あん」は音読みの一種で、平安時代中期以降から江戸時代末期にかけて入ってきた漢字の読み方だと言われています。このような読みのものを「唐音(とうおん)」といいます。唐音は他の音読みのようにすべての漢字に共通する読み方ではなく、特定の言葉のみに使うのが特徴です。

「行」を「あん」と読む言葉は他にもあります。「行燈(あんどん)」や「行火(あんか)」などが主な例です。

行脚の類義語・対義語・英語表現は?

続いて、行脚の類義語や対義語、英語表現をご紹介します。

行脚の類義語

各地を歩き回るという意味を持つ行脚ですが、他にもさまざまな言葉に言い換えることができます。行脚の類義語としては以下のようなものがあげられます。

  • 放浪
  • 周遊
  • 漫遊
  • 巡回
  • ツアー

行脚の対義語

行脚の対義語としては、「その場に居続けること」という意味を持つ言葉がふさわしいでしょう。対義語の例としては以下があげられます。

  • 滞在
  • 居座る
  • 停留
  • 滞留

行脚の英語表現

行脚を英語であらわすと、聖地巡礼という意味を持つ「pilgrimage」という言葉になります。宗教的な意味を抜き、各地を歩き回るという意味では「travel on foot」や「go on a walking tour」と表現するのがいいでしょう。

「お遍路さん」も行脚のひとつ

現在ではなかなか僧侶の修行を目にすることはありませんが、「お遍路」という言葉は聞いたことがあるという方も多いかもしれません。実は「お遍路」も行脚のひとつなのです。

お遍路とは

お遍路とは四国にある空海(弘法大師)にゆかりのある88カ所の仏教寺院を巡ることを指します。1200年前、空海は四国の山の中にて修行を行いました。諸説ありますが、この空海の足跡を辿る修行のことを「お遍路」といいます。

もともとは仏教の僧侶による修行の旅でしたが、今では家族の供養や心願成就、自分探しや病気が回復するよう祈りを込めてなど、さまざまな目的で行われています。 お遍路も当初は徒歩での修行でしたが、現在では車やタクシーを使ったものなどさまざまな移動の方法があるようです。


日常的に使われている仏教用語

行脚はもともと仏教由来の言葉でしたが、今では一般人でも使われるようになりました。仏教は昔から広く信仰されており、私たちの生活にも根付いています。そのため、仏教を由来としている言葉は行脚の他にも数多くあるのです。現在当たり前に使ってる言葉の中にも多くみることができます。最後に、私たちがよく使う言葉で仏教由来のものをご紹介します。

「大丈夫」

毎日の会話の中でも頻繁に登場する「大丈夫」。これも実は仏教に由来した言葉です。「大丈夫」の「丈夫」とはもともと立派な男性である「ますらお」という言葉を示す漢字でした。今でもパソコンやスマホなどで「ますらお」と打つと「丈夫」と変換されます。さらに仏教のはじまりとされるインドでは、「マハープルシャ(大丈夫)」という言葉があります。これは偉大な男性という意味の言葉です。

また、仏様にはそのはたらきや凄さを知らしめるため、十の異名があります。そのひとつが「大丈夫」です。これは先ほどご紹介した「マハープルシャ」から転じて、偉大であり、立派に努力・精進するものという意味で使われるようになったようです。

「愛嬌」

にこにこと柔和な雰囲気で、周りから愛される人のことを「愛嬌がある」と表現することがあります。この「愛嬌」も実は仏教から由来した言葉なのです。

愛嬌はもともと「あいぎょう」と読みます。「愛嬌(あいぎょう)」とは仏様の優しく柔和な様子を指す「愛嬌相(あいぎょうそう)」から派生した言葉です。たしかに大仏をみると、柔らかで優しげな表情を浮かべているものが多いですよね。

さらに、人々が互いに愛し敬う心を思い起こさせる祈りの行動を「愛嬌法(あいぎょうほう)」といいます。これらが今の「愛嬌」の由来となっているといわれています。

「えこひいき」

特定の人物に肩入れし、公平ではない態度をとるさまを指した言葉である「えこひいき」。この「えこ」も仏教由来の言葉です。

「えこ」は漢字で「依枯」と書きます。「依枯」とは「あるものを頼りにする」という意味の仏教語です。本来は仏様が頼ってくる人々に対して目をかけることを意味したものでした。 仏様の慈悲は誰にでも平等なものですが、今では特定の人物に目をかけることを「えこひいき」と呼びます。