マレーシアの次期首相候補・アンワル氏が中国のウイグル人弾圧を批判
2018.09.17(LIVERTY WEB)
マレーシアのマハティール政権の次期首相候補と目されるアンワル・イブラヒム元副首相兼財務相が、このほど、米ブルームバーグテレビのインタビューにおいて、中国政府が現在、新疆ウイグル自治区で行っている、ウイグル人・イスラム教徒への弾圧を批判した。
中国政府は、「ウイグル人であること」「イスラム教徒であること」などを理由として、100万人以上のウイグル人を「再教育センター」という名の、実質的な強制収容所に収容し、弾圧している。
アンワル氏は、「(中国政府によるウイグル人への弾圧は)主流メディアにも問題として取り上げられている。私たちは適切な公開討論会を開き、この問題を強調し、中国の権力者たちに理解を求める行動を始めるべきだ」と述べている。
中国のウイグル弾圧に沈黙するイスラム教国
アンワル氏のこうした発言が注目に値する理由は、他の多くのイスラム教国が中国政府によるイスラム教徒弾圧に対して「抗議せず、沈黙している」なか、マレーシアは「黙っていない」ことを表明したからだ。
アメリカやヨーロッパなどの欧米諸国では、中国のウイグル人弾圧について、主流メディアに大きく取り上げられたり、政府が批判したりしている。しかし、肝心のイスラム教国のほとんどは、この問題に沈黙している状態だ。
アンワル氏はインタビューの中で、その理由について、「彼らは怖がっているのです。誰も、何も言いたがりません」と述べている。イスラム教国の多くが、中国に経済的に依存していることも、理由の一つといえるだろう。
本誌「ザ・リバティ」10月号の編集長コラム(関連記事参照)でも指摘しているが、中国のイスラム教徒への人権弾圧を止めるためには、他のイスラム教国も巻き込み、「イスラム教の棄教を強いる習近平政権をイスラム世界が非難する」図式をつくり出す必要がある。
マハティール政権への政権交代をきっかけとして、「反中国」に転じ始めたマレーシアが、中国の経済・軍事面での覇権主義や、人権問題に対抗するイスラム教国のリーダーになることを期待したい。
(小林真由美)
【関連記事】
2018年10月号 「棄教」強いる習近平vs.ウイグルのイスラム教徒 - 編集長コラム 特別版
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2018年7月29日付本欄 トランプ政権が「ウイグル数十万人を拘束」と中国当局を批判 日本も声を上げるべき
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