ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

バイクエンジンの気筒数(その3)

2016年01月09日 22時13分30秒 | バイク
前回に続きバイクエンジン3気筒編です。
国内メーカーのカワサキ、スズキの他にもホンダとヤマハも3気筒車がありました。
まずは乗ったことがあるホンダの2車種を紹介しましょう。
ホンダのMVX250FとNS400Rがそれです。ともに2ストローク車です。

両車の発売年をしらべてみた所、MVX250は1983年、NS400Rは1985年とわかりました。
私が両車に乗ったのは多分、1985年かその翌年頃だと思います。
当時のホンダ技研は販売促進のため、ホンダバイクのユーザーの懇親会的なクラブ(ホンダセフテイークラブとかの名称であったかと思う)で様々なサービスイベントを開催していました。年に1~2回ホンダの招待で近県へのミニツーリングに連れて行ってもらったことがありました。ツーリングの途中でホンダが用意したバイクに自由に乗ってみることが出来ました。そのときに岩手県内の高速道でホンダの3気筒2ストローク車に初めて乗りました。
その両車に乗った印象ですがMVX250は排気煙の多いバイクという感じを持ちました。そして、NS400Rにも乗りました。このバイクはすさまじい加速力があり制限速度プラス50~60キロぐらいまではあっという間に到達してしまいました。販売店の人から購入をを進められましたが、とても乗りこなせないと思い断った記憶があります。(実は車両価格が高価であり手が出せなかったがほんとのところ)

MVX250とNS400Rのエンジンレイアウトは実に変則でした。
V型3気筒というレイアウトなのでした。エンジンを側面から見ればシリンダーは前後配列のL型。前方から見ればほぼ水平まで前傾した並列2気筒でエンジンを上方から俯瞰すればシリンダーが前側に2個並んで、3気筒目はその左右の気筒のセンターの後ろに位置するというものでした。すなわちシリンダーを3角形に配置するという変則配置なのでした。ちなみにこのV型3気筒車で市販車はこのホンダ車以外には存在しなかったと思われます。
このエンジン単体での画像がありましたので載せておきます。


このエンジンレイアウトは前面投影面積を少なくして車体幅を極力狭めようとの設計だったのかと思われます。
ホンダのこの3気筒エンジン搭載車の両車とも性能的には他メーカーの同列車に引けを取るものではありませんでしたが、MVX250は販売上はヒット作になることも無く早々と市場から姿を消したようです。これに対して、NS400Rはその高性能さゆえに一定程度のユーザーをつかみその後に続くNSRシリーズの礎となったと評価できると思います。

さて次はヤマハの3気筒車です。が実はヤマハ車に関してはあまり良く知らないのです。
調べてみたところ、次の車種があったようです。
古くは次の2車種です。GX750とその輸出仕様のXS750がありました。エンジンは空冷4ストローク3気筒で弁形式はDOHC2バルブというものでした。画像はつぎのものです。

画像の左がGX750,右がXS750です。排気管は左シリンダーからは1本、中央と右のシリンダーからの排気はエンジンの下部で一本にまとめられていますね。またこのバイクの特徴は3気筒エンジン以外にも動力伝達方式にもありました。一般的なバイクの動力はチェーンを介して後輪を駆動させているわけですが、このバイクはチェーン駆動ではなくシャフト駆動としていました。エンジンとシャフト駆動の構造が良く分かるイラストがありましたのでお目に掛けたいと思います。

エンジンクランクケースの後部で90度に動力の伝達方向を変換させドライブシャフトを回転させ、さらに後輪のハブで90度方向変換をさせるという二重の複雑な方式を採用したのはなぜなのでしょうかね。気になるところです。

シャフト駆動が出てきたところで次は海外製バイクでシャフト駆動の3気筒エンジンを積んだものを紹介しましょう。
BMWのK75がそれです。まずは画像を見てみましょう。

このK75のエンジンは前後方向に直列に3気筒が配列されています。車のFR車のエンジンレイアウトと同じです。ただそのままバイクの車体に積んだのでは高さが高くなりすぎるのとメンテナンスのしやすさを考慮してか、シリンダーを水平まで傾けています。そのためこのエンジンのレイアウトは水平縦置き3気筒と呼ばれています。上記の写真では左側にシリンダーヘッドカバーが見えているのがわかります。
この車種は1985~1995年まで製造されたそうです。

つぎに海外製バイクで比較的新しい3気筒があるようですが、知識不足の為、メーカ名を挙げるだけにしておきたいと思います。
イギリスのトライアンフとイタリアのMVアグスタ、それにベネリです。

それでは3気筒の最後に今最も新しいものを一つ見てみましょう。
ヤマハが2014年に欧州向けに発売したMT09です。このバイクのスペックはメーカー発表によれば次のようです。
■MT-09 主要諸元(欧州仕様)
●エンジン:水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ●ボア×ストローク:78.0×59.1mm●総排気量:847cm3
今までの手持ちの3気筒ではなく全くの新設計のエンジンだということがヤマハのHPでアナウンスされていました。試乗車のインプレッションも悪くないようです。画像は下に載せました。


こうして見てくると3気筒エンジンにも様々なバリエーションがありましたね。
動力性能や燃費、メンテのしやすさなどの実用性を考慮に入れないで考えた時、メカニズム的に興味を最もひかれたのは私的にはホンダのV型3気筒でした。他所でやらないことをやってみようという気概に溢れていたころのホンダらしさを感じたのです。

次回は4気筒を挙げてみましょう。


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