ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

安中市でレアな場所を訪ねる(バイク旅その5)

2016年08月14日 15時14分40秒 | バイクツーリング
安中市には好奇心だけではたどりつけないレアなところがありました。
先日の「松井田町役場」の探訪もそうなのですが、行く気さえあれば、すぐ行けるわけです。
今日のお話は少し、心の準備をしてから出かけた方が良いところなのです。

国道18号を安中市から軽井沢に向かって走ると碓氷バイパスに入る手前に信越線の横川の駅があります。

横川と言えば、「峠の釜めし」ですね。

私も学生時代には上野駅で釜めしを買い求め、夜行列車の車内でそれを食べたことが何度かあります。
其のときの釜めしの味はおいしいのではあるが、たいていは故郷の北国へと向かう情けない思い出と共にあるのです。
言わば、「故郷に錦を飾れなかった」者の満たされることのない気分とともに思い出されるのです。
ですが、それは「釜めし」には責任がないのは言うまでもありません。

さて、この横川には「鉄道文化むら」というところがあります。
中に入ると古い機関車が展示されている場所などがあります。碓氷峠を越えるのに使われた機関車が保存されていました。 


鉄道文化むらには鉄道マニアには魅力あるものなどがあるのでしょうが、私と友人は鉄道マニアではないので、通り一遍の見学で済ませてそこから、次の探訪地へと向かいます。

次に向かったのは霧積温泉(きりづみおんせん)です。ここからが今日の本題、少しレアな場所のお話になります。
霧積温泉は古くからの温泉なのですが近年、広くその名が知られるようになったのは「人間の証明」という映画によってです。
この映画は「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」のセリフもあってか大ヒットしました。
また、この映画の主題歌「人間の証明」もヒットした曲でした。全編が英語の歌詞というわが国では珍しい曲でした。
この歌詞は、先に述べた「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね・・・・  」という西條八十の詩『ぼくの帽子』を英語に翻訳したものだそうです。

落とした麦藁帽を拾いに行けないような深い渓谷などは、本当にあるのだろうかなどの興味を持って、友人と私は霧積へと車を走らせていきました。
霧積へ向かう道は狭い山道でした。すごく曲がりくねっています。車のすれ違いが出来るところはほとんどありません。
道のそばには渓谷が流れています。

でもこの程度の渓谷では落とした帽子は拾いには行けるでしょうね。もっと深い谷がどこかにはあったのかも知れませんね。
しばらく車を進めていきますと次のような場所にたどり着きました。

ここが終点の駐車場でした。ここから徒歩で約1キロ先に霧積温泉に残るただ一軒の旅館「金湯館」があるのでした。坂の名前がホイホイ坂とは、何たるネーミングでしょうか。
ですが時刻もお昼をまわっていましたし、何よりこの先、山道を往復1時間も歩く気力がなかったのです。
今回は行くことを断念し戻ることにしました。
駐車場の案内にもあるように金湯館に電話をすれば宿泊客に限り、お迎えをしてくれるとのことです。
多分、駐車場に来る少し手前にゲートで閉ざされた道がありましたので、その道を通って迎えの車が来てくれるのでしょうと推察しました。
帰り道で木々の切れ間から立派な高架橋が見える所がありました。

これは多分長野新幹線の高架橋だろうと友人は推察。カーナビの地図で確認したところその通りでした。

腹も減ってきましたので、帰り道で昼飯を食べることにしました。横川の釜めしには今回は寄りません。
そんなポピュラーな所へは僕らは行かないのです。
お昼をとったのは次の場所です。


観光客や通りすがりのドライブ客などは絶対に立ち寄らないと思われる地元の食堂です。
越後屋食堂です。
田舎に古くからある食堂なのでしょう。昭和時代真っ只中の雰囲気。そのままののたたずまいでした。
私の田舎、秋田でもこんな古めかしい食堂はなかなかありませんよ。これはレアな食堂です。

ここのお勧めメニューは看板にもあるように、もつ煮定食と肉トーフ定食です。
私たちが店内に入ると、先客が2組。3人連れの職人さんのグループと、会社員と思しき中年男性の二人連れ、の方々がおりました。
他の方々に運ばれてくるものを見ると、やはり両グループとも越後屋食堂のお勧めのもつ煮定食と肉トーフ定食でした。
わたしたちが注文したのはもちろん、その二つのメニューです。
友人は前にもつ煮を食べたことがあるとのことで今回は肉トーフ。わたくしはもつ煮を頼みました。
もつ煮とは秋田県では「ホルモン定食」とか「煮込み定食」とかで呼ばれている物ですが、秋田県と青森県ではみそ味が多いのですが、ここのは醤油味でした。
肉トーフも醤油の味付けでした。

もつ煮は居酒屋メニューにある「ホルモン煮込み」を醤油味にしたものと思えばまちがいありません。
同じく肉トーフもその名のとおり肉とトーフと野菜を醤油で甘辛く煮込んだものでした。
味付けが濃い目なので塩分を必要とする職業の方々や夏の盛りの汗が多く出た時などにはぴったりの味付けでした。また、私などの東北人の口には合いました。
タニタ食堂の栄養士がこの味付けを口にしたら怒るだろうななどど話しながらいただきました。
ごはんの量も多めでしたがおなかがすいていたこともあり、綺麗に完食。

気になるお味の方はと言うと。
もつ煮も肉トーフも絶品。もつはまるで癖がない、それにとても柔らかい。
此処を通るトラックドライバーの多くが立ち寄る定番食堂とのことだが、なっとく。
値段が安いのと量が多いのがドライバーさんを引き付ける魅力となっているのでしょう。
食べ物屋さんは建物の外観ではありません。旨くなければ人はいかないのです。
お値段は700円でした。


越後屋食堂へは国道18号を安中から軽井沢方向に向かい碓氷バイパスに差し掛かる少し手前にあります。
敷地内にはこんな霧積温泉への道路案内が建っておりました。


安中での少しレアな場所のお話でした。

次回は最終回です。

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