小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

ちょっと勉強しましょう(SSKシリーズその9)

2014年09月22日 21時54分42秒 | エッセイ
ちょっと勉強しましょう(SSKシリーズその9)



 埼玉県私塾協同組合というところが出している「SSKレポート」という広報誌があります。私はあるご縁から、この雑誌に十年以上にわたって短いエッセイを寄稿してきました。このうち、2009年8月以前のものは、『子供問題』『大人問題』という二冊の本(いずれもポット出版)にだいたい収められています。それ以降のものは単行本未収録で、あまり人目に触れる機会もありませんので、折に触れてこのブログに転載することにしました。発表時期に関係なく、ランダムに載せていきます。

【2013年5月発表】
 ここ数カ月、柄にもなく政治問題、経済問題に首を突っ込んでいろいろなところに寄稿しています。TPP交渉参加問題、アベノミクスのゆくえ、エネルギー問題、「一票の格差」違憲判決、国会議員の定数減らしの是非、憲法改正問題、英語公教育のあり方等々。
 世はネット社会で、資料集めには事欠きません。知人からの素早い情報提供もあります。ネット社会には弊害もありますが、この点に関してはまことにありがたいことです。数か月間のにわか勉強で、へえ、そうかと思うことがいくつかありました。そこでさっそく知ったかぶりをして、みなさんにいくつかクイズ。

【第1問】国債の金利が0.6%から1%の間を乱高下していると言われていますが、90年代初頭には何%だったでしょう。

【第2問】TPPの参加国は当初どことどこ。

【第3問】運転停止中の浜岡原発(出力約360万kw)が産みだせる電力を太陽光発電で賄うとすれば、どれくらいの面積が必要でしょう。

【第4問】人体に無害と科学的に保証されている放射線量は年間何シーベルト以下でしょう。

【第5問】国会議員を半分に減らした場合、公費のうち何%節約できるでしょう。

【第6問】日本国憲法の草案作りに最も深くかかわったGHQのケーディス大佐(当時)は、30年後に憲法がそのまま生きている事実を知って、何と言ったでしょう。

【第7問】(これはみなさんの判断を問う問題)1票の格差は与党の0増5減案によって2倍未満になりますが、これについてどう思いますか。

 では解答。
【第1問】8%。
 いま騒いでいる範囲の何と10倍ですね。マスコミの騒ぎに惑わされず、常にズームを引いて大局を見ましょう。

【第2問】チリ、ブルネイ、シンガポール、ニュージーランドの四か国。
 GDP合計は日本一国の15%に及びません。超大国アメリカが突然割り込んできて自国の一部企業に有利な条項をつけ足して引っ掻き回しています。

【第3問】山手線内の総面積の3倍。
 メガソーラーにはそのほかいろいろな問題があります。

【第4問】100ミリシーベルト。
 原発事故当時の政府が決めた避難基準の20ミリシーベルト以上はバカげています。もちろん、今はこれよりはるかに低くなっています。

【第5問】たった0.3%。
 議員数(人口比)は現在でも先進国中でアメリカに次いで低く、これ以上減らすと国民の意思が政治に反映されなくなる危険がきわめて大きい。

【第6問】「えっ、まだ変えていないのか!」
 この言葉で現憲法が占領統治のための暫定措置にすぎなかったことは明瞭です。

 総じて私たちは、少し調べればわかることをサボって感情と印象だけで判断を下しがちですが、今はそういう危険を克服できる時代です。マスコミが作りだす空気に支配されないよう、ぜひ気をつけましょう。なおここに掲げた問題について私自身がどう論じているかについては、本ブログ、美津島明ブログ「直言の宴」、及び以下の雑誌その他にアクセスしてみてください。

美津島明編集「直言の宴」:http://blog.goo.ne.jp/mdsdc568/arcv

月刊『Voice』2013年6月号

人気サイト「ASREAD」の定期投稿者になりました。

2014年09月22日 13時19分52秒 | お知らせ
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月2回掲載される予定です。ご期待ください




第1回目は、「いま裁判員制度の是非を問う」です。
http://asread.info/archives/1123

裁判員裁判による「求刑越え」判決は、5年間で43件。率で言って普通の裁判の何と10倍です。
これは近代司法制度の「人民裁判」化につながらないでしょうか。

ご関心のある方はどうぞ。