こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

平戸安満岳西禅寺の常燈籠(じょうとうろう・本堂内陣を常に照らすお灯ろう)

2012年02月20日 | 仏教

平戸安満岳のお寺、西禅寺は、二度の弾圧を受ける。
明治の廃仏毀釈が二度目。で、西禅寺は再生不能の廃寺と化す。
一度目は、1550年ポルトガル船来航より始まるキリシタン布教の時。
1555年、平戸領主松浦道可公信は、キリスト教宣教を歓迎。
1564年、信は安満岳の所領を没収、僧侶たちを追放した。
1600年、法印公鎮信の加護をうけ、安満岳は中興する。(住職、善意)

当山に残る数少ない什物の一つ、常燈籠(じょうとうろう・本堂内陣を常に照らすお灯ろう)。

  

本堂内陣のご本尊様御前をずっと照らし続けている。
ぼんぼりの模様は、十六菊のご紋。銅製。
灯ろうの台座付近には、
奉 鋳造 銅鐙臺 兩基 天明三辛癸卯冬 十月穀旦 
肥前国下 松浦郡平戸安満岳道場 常住当山現住 鑁随
と彫られている。
天明三年(1783年)といえば、天明の大飢饉が始まった頃。
世界的にも大変な時代。
穀旦とあるのは、善い日の意味で、吉祥日といったところか。

全国的な大飢饉を乗り越えるため、
国家平安を祈って造立されたものかも知れない。

コメント
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