乃至法界平等利益
乃至法界平等利益(ないしほうかいびょうどうりやく)。
漢字ばかりが並んでますがイヤにならないでくださいね。
これは、ご法事やいろんな法要の中でお坊さんが読み上げる「願文」とか「回向文」とかの
最後によく出てくる言葉です。(・・・ナイシホウカイ ビョウドウリヤク、ウヤマッテモオスゥ~)って、
聴かれたことありません?
ともあれ、「このおつとめの功徳は、この世のすべての人たちの幸せにつながっていきますように。」っていう
強い願いのこもった言葉なんです。他人の心を自分の心として、人が悲しめば自分も悲しみ、人が喜べば自分も喜ぶ、といったとても崇高な境地です。
しかし、これは言葉で言うほど簡単ではありません。テレビのニュースに流れる事件や災いを聞きながら、
私たちは、一時的には悲しみを共感する心を持っています。しかし、所詮は他人事。ニュースを聞いて幾ばくも経過しないうちに、夕餉の団欒を楽しく平和に過ごすことができます。これが、少しでもご縁のある関係者だったら、ご飯も喉を通らないはずです。
私たちはどうしても自己中心的な生き物です。
だからこそ、この「乃至法界平等利益」という言葉があえて必要になってくるのだと思います。
どうぞみなさん、心のこもったお唱えを心しましょう。