<仏教の目指す所>
仏教は、直接社会に役立つものではありません。
社会システムに仏さんの教えを持ち込めば、むしろ弊害にさえなることでしょう。
なぜならば、社会の物差しと仏教のそれとは、全く異質なものだからです。
しかし、物差しの違いは私たちの常識では計ることの出来ない全く違った視点を与えてくれます。
固定化した私たちのモノの見方考え方に、新しい気づきを注いでくれるかも知れません。
悩みや苦しみの暗闇から這い上がる一筋の光明になるかも知れません。
仏教は、私たちひとりひとりの心の置き方に指針を与え、大いなる安らぎや潤いへと誘います。
安らぎの心を持った私たちひとりひとりが集まって、安楽な社会がはじめて構成されます。
これが、仏教の目指す所だと、そう私は思います。