お大師さまの言葉 5
水外に波なし。心内すなわち境なり。
『吽字義(うんじぎ)』 弘法大師空海全集 巻2 p322
「水をはなれて波はない。心の中の働きが波をつくっている。」
苦しい、楽しい、嫌だ、好きだ、辛い、楽だ、まずい、うまい、おもしろい、くだらない、・・・
こんな感情は、心がつくり出します。
私たちはモノの見方やコトのとらえ方、人の印象に左右される人生ですが、
モノやコトや人そのものに、苦しむべき本性や普遍的な何かがあるわけではないのです。
池の水面にたつ波は、決して水面の水を離れて存在するわけではありません。
水から波を離すことが出来ないのと同じように、私たちの苦しみや辛さは心から切り離せません。
心が波をつくっているからです。
心の波や渦を発生させないために、日常生活のひとつひとつを見直していく必要があります。
仏様は、たくさんの導きを示して下さいます。