こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

パラダイスはここにある。

2015年12月25日 | 仏教

お大師さまの言葉 6

それ仏法、遙かにあらず、心中にしてすなはち近し。

真如、ほかにあらず、身を棄(す)てて何(いづく)んか求めん。

 

『般若心経秘鍵(はんにゃしんぎょうひけん)』 弘法大師空海全集 巻2 p349

<訳>「安らかな世界というものは、どこか遠くにあるものではない。

それは、私たちの心の中にあって、本当に近いもの。

真理は外部にあるものじゃないから、この体を捨ててどこにそれを求めようというのか。」

*「自分探し」という言葉が流行った時期がありました。
自らの生きる道をつかめなかったり人生に挫折したりしたとき、
新しい何かが見つかることを漠然と期待しながら「自分探し」の旅する、
などといった表現をしていました。
しかし「自分探し」という行為には大きな落とし穴があります。
それは、自分というものを外部に求め過ぎてしまうことです。
もちろん、外部との関係性の中で自らの個性や力に気がつけば、
それは本当の意味の自分探し、ということになるでしょう。
 実のところ、悟りも、あたたかい心も、どうしようもない私に気づく力も、
すばらしい能力も、未知の力もすべては私自身の中にすでにあるんです。
外を見て探し回っても何もありません。そして、その輝かしい能力は、
あなたを取り巻くさまざまな環境との関係性によって、より昇華していきます。
仏教では、この本来持ち備えている能力のことを、「仏性(ぶっしょう)」という言葉で言い表します。

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