当神社は延喜式神名帳に記載されている古社で、一名に恩多社とも云われる。鎮座年代は不詳なれど賀茂に於ける最古の社であり、賀茂県主族の移住以前より農民から長寿福徳の神として信仰が寄せられていたようである。ご祭神の天鈿女命(あめのうずめのみこと)は、天岩戸の前でお神楽をされた神で、その御神徳を慕って芸能上達を願い参拝される方が多い。
また、寿命長久、病気平癒、縁結びの信仰がある。上賀茂神社の境外摂社となり、上賀茂八摂社の1つに数えられる。寛永5年(1628)には本殿と割拝殿が造替された。
また、境内東側の沢池を大田の沢(おおたのさわ)といい、野生のカキツバタが美しい。藤原俊成(しゅんぜい)卿の古歌に「神山や 太田の沢のかきつばた ふかきたのみは 色にみゆらむ」と詠われ、平安時代からこの地にカキツバタが咲き乱れて、すでに名勝となっていたようである。今日でも5月中旬頃には、濃紫、鮮紫の花が美しく沢一面に咲く。このカキツバタの群落は昭和14年に国の天然記念物に指定されている。
例祭は4月10日と11月10日である。
毎月10日に御神楽が奉納されていたが、現在では2月24日の「サンヤレ祭」がこの社の行事となっている。
京都市
紀元2600年記念の灯籠
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