大人買い

　「大人になってよかったな」と思うのは、正に大人買いを決意した瞬間に感じる。特に子供のころに興味のあったサブカル関係（僕の場合もっぱら漫画）のものを大人になって購入できる喜びは、生きる喜びに近い興奮を覚える。
　「大人買い」というというのは、単なるまとめ買いとか大量購入をいう場合も多いようだが、基本的には子供のころの怨念を晴らすような行動を指していう場合が本来的な用法だろうと思っていた。もちろんそれで誤りは無いわけだが、大人だから財力という（自分で稼いだからという理由で、後ろめたさが少ない。家族には嫌われるかもしれないが…）特権を生かした買い物であるという意味で、まさに自分が大人になった喜びそのものを言うのであろうという認識だったのである。
　しかしながらこの間ラジオを聞いていたら、大人買いというのは「大人げない買い方」という意味なんだ、ということを言っていた。大人のくせに子供のような行動だというわけだ。
　なるほど、確かにその通りで、大人であればそのような行動はむしろ慎むべきことなのかもしれない。子供であるから大人買いをしてしまう。するとあの興奮は、子供の頃と同じものなのかもしれない。
　もう忘れてしまったと思っていたけど、やっぱり子供時代って楽しかったのかもしれないな。