バイオレント・ナイト/トミー・ウィルコラ監督
飲んだくれているサンタクロースが、それでも善良な子供にだけは律義にプレゼントを配っている様子だった。そこである豪邸に入ると、そこでは大金を狙った武装強盗集団が家族を襲って立てこもっているところだった。一度は見ないふりをして逃げようとするが見つかり、大騒動が始まってしまうのだった。
偶像のはずのサンタクロースが実在していて、しかし下品でべろんべろんで暴言を吐きまくるじいさんだった。善良な子供の願いだけは聞き届けられるハイテクなグッズは現代風に持っていて、それは一種の魔法という事らしいのだが、しかしながら自分でもよく分からないながら、プレゼントは贈り続けているという事らしかった。そこで大富豪の家には、珍しく善良な願いを持つ女の子がいて、プレゼントを届けなればならない訳だ。しかしこの家には恐ろしく大金が保管されている設定で、テロリストばりに武装している凶悪軍団が、機関銃を撃ちまくって暴れている。警備の人々はとっくに殺されつくしていて、無防備な家族がいるだけなのだ。サンタクロースも武装はしていないのだが、何故だか要所では強くて、これらの強盗団と互角にアクションを繰り広げていくのだった。
荒唐無稽すぎてまともなギャグなのかどうかさえはっきりしない下品さがあるのだが、そういうところが大人から子供時代を振り返った、楽しいアクション活劇の設定なのだろうと思われる。誰でも一度は信じていたサンタクロースが実在していて、そうして悪ふざけをする。もう最高っ、てことかもしれない。いや、眉をひそめざるを得ないのだが、それは善良なる子供の心を、遥か彼方に失ってしまった大人に対するアンチテーゼなのである(たぶん)。ということで、かなりのグロとゲロに包まれたクリスマスの夜の顛末が繰り広げられる。
少し飲みすぎていたのか、かなり眠かったのだが、我慢して最後まで観た。何か得られるものがあるような予感があったのかもしれない。しかし最後まで一定のテンションでの下品さがあって、なるほどこういう事に徹しているのだな、と気づかされた。まあ、好きな人は好きなのかもしれませんね。