春になるといろんなところで、新入生や新社会人に対して、読むべき100冊、なんて企画が目に付く。そういえば、若いうちに読んでおくといいかもしれないな、という本はそれなりに実際にあるようだ。制限のあるGWのようだし、この機会に読書というのも悪くないだろう。
定番とされよく紹介のされている「思考のなんとか術」とか、「理科系の作文なんとか」とか、または、人生訓や哲学もいいけど、そうかなあ、とも思う。また、ビジネス書の類の、仕事術やライフハックといわれるものも、まあ、お好きにどうぞって感じもある。僕は実際そういうのを山のように手にしたし、現在もやっぱり買ってしまうけど、そういう実用をうたったものというのは、あんがい大して役に立つようなものではない。
若いころは特にだけど、若いころに限らずともいえることは、読んで面白いが一番である。もちろんだから、そういうものを選んだ。100に限ったので、思いついた別の2,30冊くらいと番外もできたが(もちろん時間をかければ他にもどんどん出てくるかもしれないし)、それはまた別の機会に。漫画や小説も、一応は外した。
週に2冊ずつくらい読めば、一年で全部は行けるだろう。しかしながら、おそらく面白くなってくるはずで、その著者の他の書物も読みなくなるに違いない。そういうことも含めて、目の前の一冊を楽しんで欲しいと思う。そうして、絶対にこれらは生活に役立つだけでなく、生きていく考え方にも影響を及ぼすと思う。
また、できる限り手に入りやすい新書や文庫になっているものを選んだが、そうではないものも少し入った。もっとも今になってみると、かえって安く手に入るのではないか。ほとんど数百円で読めるという意味でも、素晴らしい買い物ではないだろうか(著者には申し訳ないことだが)。
1 生物と無生物のあいだ 福岡伸一(講談社現代新書)
2 涼しい脳味噌 養老孟司(文春文庫)
3 本が好き悪口言うのはもっと好き 高島俊男(文春文庫)
4 虫のいどころ 奥本大三郎(新潮文庫)
5 ココロの盲点 完全版 池谷裕二(講談社ブルーバックス)
6 嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里(角川文庫)
7 箆棒な人々 竹熊健太郎(河出文庫)
8 日本的思考の原型 高取正男(平凡社ライブラリー)
9 チェンジング・ブルー 大河内直彦(岩波現代文庫)
10 「超」整理法 野口悠紀雄(中公新書)
11 科学の目科学のこころ 長谷川真理子(岩波新書)
12 決断科学のすすめ 矢原徹一(文一総合出版)
13 努力論 斎藤兆史(中公文庫)
14 辞書はジョイスフル 柳瀬尚紀(新潮文庫)
15 新解さんの謎 赤瀬川原平(文春文庫)
16 もてない男 小谷野敦(ちくま新書)
17 うるさい日本の私 中島義道(新潮文庫)
18 読書家の新技術 呉智英(朝日文庫)
19 ねこの秘密 山根明弘(文春新書)
20 世界屠畜紀行 内澤旬子(角川文庫)
21 古代マヤアステカ不思議大全 芝崎みゆき(草思社)
22 青春を山に賭けて 植村直己(文春文庫)
23 転がる香港に苔は生えない 星野博美(文春文庫)
24 村上朝日堂 村上春樹(新潮文庫)
25 壇流クッキング 檀一雄(中公文庫)
26 ミカドの肖像 猪瀬直樹(小学館文庫)
27 おかしな二人 井上夢人(講談社文庫)
28 日本語練習帳 大野晋(岩波新書)
29 言語の脳科学 酒井邦嘉 (中公新書)
30 心理学で何がわかるか 村上宣寛 (ちくま新書)
31 日本人の英語 マーク・ピーターセン(岩波新書)
32 ピーター流外国語習得術 ピーター・フランクル(岩波ジュニア新書)
33 学びとは何か 今井むつみ(岩波新書)
34 翻訳百景 越前敏弥(角川新書)
35 7か国語をモノにした人の勉強法 橋本陽介(祥伝社新書)
36 からくり民主主義 高橋秀美(新潮新書)
37 経済学的思考のセンス 大竹文雄(中公新書)
38 系統樹思想の世界 三中信宏(講談社現代新書)
39 あきらめない練習 植松努(大和書房)
40 知的生産の技術 梅棹忠夫(岩波新書)
41 寝ながら学べる構造主義 内田樹(文春新書)
42 自由をつくる 自在に生きる 森博嗣(集英社新書)
43 99,9%は仮説 竹内薫(光文社)
44 脳の中の幽霊 V・S・ラマチャンドラン(角川文庫)
45 お金の現実 岡本史郎(ダイヤモンド社)
46 恐怖対談 吉行淳之介(新潮文庫)
47 火星の人類学者 オリバー・サックス(ハヤカワ文庫)
48 ラーメンと愛国 速水健郎(講談社現代新書)
49 胎児の世界 三木成夫(中公新書)
50 いじめと探偵 阿部泰尚(幻冬舎新書)
51 内なる外国ー「菊と刀」再考 C・ダグラス・ラミス(時事通信社)
52 不機嫌なメアリー・ポピンズ 新井潤美(平凡社新書)
53 殺人犯はそこにいる 清水潔(新潮文庫)
54 ピカソは本当に偉いのか? 西岡文彦(新潮新書)
55 フェルマーの最終定理 サイモン・シン(新潮文庫)
56 いつまでもデブと思うなよ 岡田斗司夫(新潮新書)
57 鉄砲と日本人 鈴木真哉(ちくま学芸文庫)
58 年金は本当にもらえるのか 鈴木亘(ちくま新書)
59 宇宙からの帰還 立花隆(中公文庫)
60 がんー4000年の歴史(上下) シッタールタ・ムカジー(ハヤカワ文庫)
61 地方消滅 増田寛也(中公新書)
62 マックスウェーバーの犯罪 羽生辰郎(ミネルヴァ書房)
63 バナナと日本人 鶴見俊輔(岩波新書)
64 子供より古書が大事と思いたい 鹿島茂(青土社)
65 無意識の構造 河合隼雄(中公新書)
66 デフレの正体 藻谷浩介(角川新書)
67 ゾウの時間ネズミの時間 本川達夫(中公新書)
68 笑うカイチュウ 藤田紘一郎(講談社文庫)
69 やさしさの精神病理 大平健(岩波新書)
70 記憶の肖像 中井久夫(みすず書房)
71 生き延びるためのラカン 斎藤環(ちくま文庫)
72 忘れられた日本人 宮本常一(岩波文庫)
73 ”子”のつく名前の女の子は頭がいい 金原克範(洋泉社)
74 王様気取りのハエ ロバート‣S・デソヴィツ(紀伊国屋書店)
75 一勝九敗 柳井正(新潮文庫)
76 国会議員の仕事 林芳正・津村啓介(中公新書)
77 「しがらみ」を科学する 山岸俊男(ちくまプリマー新書)
78 演劇入門 平田オリザ(講談社現代新書)
79 西條八十 筒井清忠(中公文庫)
80 ルワンダ中央銀行総裁日記 服部正也(中公新書)
81 論文の書き方 清水幾太郎(岩波新書)
82 宗教なんて怖くない 橋本治(ちくま文庫)
83 愛の空間 井上章一(KADOKAWA)
84 ソウルの練習問題 関川夏生(集英社文庫)
85 私の國語教室 福田恆存(文春文庫)
86 分類という思想 池田清彦 (新潮選書)
87 時刻表二万キロ 宮脇俊三(角川文庫)
88 自分の中に毒を持て 岡本太郎(青春文庫)
89 やちまた(上下) 足立巻一(中公文庫プレミアム)
90 流れる星は生きている 藤原てい(中公文庫)
91 魔羅の肖像 松沢呉一(ちくま文庫)
92 牛を屠る 佐竹光春(双葉文庫)
93 多数決を疑う 酒井豊貴(岩波新書)
94 ひと月9000円の快適食生活 魚柄仁之助(飛鳥新社)
95 横井軍平ゲーム館 横井軍平・牧野武文(ちくま文庫)
96 意識とは何か 茂木健一郎(ちくま新書)
97 漫画と人生 荒俣宏(集英社文庫)
98 百言百話 谷沢栄一(中公新書)
99 発想法 川喜多二郎(中公新書)
100 免疫の意味論 多田富雄(青土社)