スペル
2010-07-31 | 映画
『スペル』予告編
スペル/サム・ライミ監督
原題はdrag me to hell 地獄に引きずり込まれる、ということらしいが、まさにちょっとした不親切から入れ歯のばあさんに逆恨みを買って、悪魔のような呪いをかけられるというお話。
ホラー映画のように宣伝されているようだけど、それは必ずしも間違いとは言い切れないけれど、ちょっと的外れな感じのする映画である。そんなに可笑しいわけではないが下品に笑うためにある映画で、監督がサム・ライミという人であることを考えても、それは間違った解釈ではなかろう。こんなんで笑っている人たちの神経はどうかしている、と拒否したい人もいるのかもしれないが、いわば少年の中の残酷で下品な感性を大人になっても持ち続けているという点では、なかなか素直な大人の作品といえないこともないのではあるまいか。
あまりにも大げさに良くできているのでさすがにびっくりさせられるにせよ、悪夢を見るような恐怖体験にはならないだろう。恐怖を期待する人には怒りを買うかもしれないが、そういう気分さえも監督は笑いたいということなのかもしれない。そういうはぐらかしを分かった上で観賞すると、なるほどフンフン、と余裕をかますこともできよう。そしてちょっとだけ爆笑したい気分が分かるのではないだろうか。
つまるところ不条理な話で不完全燃焼なところもあるんだけど、これはカタルシスのための映画なのではないか。スパイダーマンだって考えようによっては屈折した変な話だけれど、それでも普通の観客を相手にしている監督にはそれなりのストレスかたまる作業なのかもしれない。自分のうっぷんと過去の友人のために、今となっては大御所になってしまった監督が撮るべくして撮った遊びをするための作品、という位置付ができないこともないのではないか。
という訳で変な映画が好きな人にはお勧め。怖くないけど汚いし気持ち悪いので、かえってストレスが溜まるかもしれないということは覚悟して観るべし。僕は正直言ってなかなか楽しめた。もちろんああいうばあさんに対して素直に融資すべきだという教訓も得て有意義でありました(銀行に勤める予定はないけど)。
スペル/サム・ライミ監督
原題はdrag me to hell 地獄に引きずり込まれる、ということらしいが、まさにちょっとした不親切から入れ歯のばあさんに逆恨みを買って、悪魔のような呪いをかけられるというお話。
ホラー映画のように宣伝されているようだけど、それは必ずしも間違いとは言い切れないけれど、ちょっと的外れな感じのする映画である。そんなに可笑しいわけではないが下品に笑うためにある映画で、監督がサム・ライミという人であることを考えても、それは間違った解釈ではなかろう。こんなんで笑っている人たちの神経はどうかしている、と拒否したい人もいるのかもしれないが、いわば少年の中の残酷で下品な感性を大人になっても持ち続けているという点では、なかなか素直な大人の作品といえないこともないのではあるまいか。
あまりにも大げさに良くできているのでさすがにびっくりさせられるにせよ、悪夢を見るような恐怖体験にはならないだろう。恐怖を期待する人には怒りを買うかもしれないが、そういう気分さえも監督は笑いたいということなのかもしれない。そういうはぐらかしを分かった上で観賞すると、なるほどフンフン、と余裕をかますこともできよう。そしてちょっとだけ爆笑したい気分が分かるのではないだろうか。
つまるところ不条理な話で不完全燃焼なところもあるんだけど、これはカタルシスのための映画なのではないか。スパイダーマンだって考えようによっては屈折した変な話だけれど、それでも普通の観客を相手にしている監督にはそれなりのストレスかたまる作業なのかもしれない。自分のうっぷんと過去の友人のために、今となっては大御所になってしまった監督が撮るべくして撮った遊びをするための作品、という位置付ができないこともないのではないか。
という訳で変な映画が好きな人にはお勧め。怖くないけど汚いし気持ち悪いので、かえってストレスが溜まるかもしれないということは覚悟して観るべし。僕は正直言ってなかなか楽しめた。もちろんああいうばあさんに対して素直に融資すべきだという教訓も得て有意義でありました(銀行に勤める予定はないけど)。