家にこもっている人もいると聞く。それはそれで不健康なことではあるが、今は体の健康より、精神面の安定を図る目的の方が先んじているらしい(そういう考えこそ根本的に無知による間違いだけど)。現代風にはゲームをすべき時かもしれないが、それが性に合わない人もいるだろう。テレビをだらだら見ていてもいいことは恐らくない。それに今は、精神的にもそれは結構危険であろう。
せっかくだからこの機会にテレビ・ドラマをまとめて観るというのもいいだろう。もともとそういう楽しみの仕方をやる人も多いのだろうけど、なんとなくそういうことには長けていない人もいそうな気がする。かくいう僕自身がそうであるから、うまく勧められるものが無い。ツイン・ピークスなんてどうか、なんて薦められても、ピンとくる人がどれだけいるのか。
ということなんだが、出来るだけその世界に没入できるものが良くて、その没入感が続くものがさらにいいのではないか。あまりまとめてやると食傷気味になる可能性も無いではないが、ちょっとくらいそうなってもいい作品というのはある。
というわけでテレビでも再放送やってたりするが、この機会に観るべきは「コロンボ」ではないか。コロンボ・シリーズは、もともとテレビ・ドラマだったようで、初期のころと中盤後半と、脚本から監督から、なんもかんも違う。ピーター・フォークがずっとやってるってだけこのことで、そんなに一貫性のある話でもない。ずっと見ているとそういう突っ込みどころも面白いのではなかろうか。
ついでにだけど、古畑任三郎シリーズも一緒に楽しんだ方がいい。パロディとしてよくできているし、独立しても面白い。
コロンボほどたくさんは無いが、ゴッドファーザー・シリーズもいいと思う。この作品群がなぜいいのか、そうしてその水準がなぜ保たれているのか、じっくり味わってほしい。最後だけはちょっとだけ評判が悪いが、僕は嫌いではありません。マフィア社会で生きるのはまっぴらごめんだけれど。
スターウォーズもたくさんあるけど、僕は古い人間で、ハリソン・フォードが出なくなったあたりから興味なし。実際に面白くも感じない。というわけで長くなったからと言って、やはりお好きにどうぞなんである。
さてさて、日本にはとんでもなく長く続いたシリーズはちゃんとあるわけで、しかし我が家に限って言うならば、それでも完全に見飽きてしまったのが「男はつらいよ」シリーズである。これも必ずしも一貫性が無いところがあったりして(博の実家とか←つれあいから指摘があって訂正します。最初は博の父は北海道の大学教授だったので北海道からやってくるのだが、定年だか退職後に故郷の岡山に戻ったのだろうということだった。なるほど、完全に僕の勘違いと思い込みがあるようだ。というわけで、この話は特に矛盾はない。博の兄や姉たちの話だと、岡山で育ったらしいことは分かる。その後博の父は、北海道の大学の職を得たのであろう)、長く続くと作品というのは、違った成長をするものなのだということが分かるだろう。後半になると、さすがに寅次郎本人の失恋だけだと哀れすぎるようになり、満男に頑張ってもらったりしている。寅さんのようなヤクザなら、多少は付き合えるかもしれないが、しかし寅さんの恋愛のやり方は、やはりかなりまずいと思う。というか考え方の根本に、全く納得はいかない。それでも名作なのだから凄いのであって、しかしもう実は我が家では、通算1000回(←これもつれあいから訂正あり。実際には800回くらいだそうだ。二百回も鯖読んじゃった。すいません)に届くくらい見返しているわけで、もう僕自身はほとんど観る気もしなくはなっている。そういう事情はあるんだけれど、人に勧めるとなれば別の話である。そんなに頑張る必要も無いけど、お楽しみくださいませ。