影なき殺人者・刑事コロンボ/アラン・J・レヴィ監督
最初は何となくいい感じではあったのである。いろいろ巧妙に仕掛けに取り組んでいるし、コロンボも働き甲斐があろうな、という感じもする。弁護士ということで、言い訳も上手そうである。それを逆手にとってコロンボが追い詰めていくという展開も面白いかもしれない。シャンペンのコルク問題に目を付けるということでも、何か含蓄のある事を学べるかもしれない(ある程度は学べたが)。
ということではあったが、やはり残念な出来だった。というか、そりゃないでしょう、というレベル。トリックとしてはもう少し気の合った人間だとか、共通の敵である必要もある気がしたし、何より物理的にはかなりの危険を伴う無理のあるものじゃないだろうか。がっかりですね、これは。
ということで悲しい気分になってしまったが、ひょっとすると助手的なこの女性が今後も活躍する機会があるのか、というような、何となくの含みも感じたが、実際どうなのだろう。これもこの場限りのものなのだろうね。コロンボの物語を愛している者にとっては、そういうものがシリーズとして膨らんで行ってもいいのかもしれないとは思う。コロンボ以外のキャラクターが増えることは、アニメシリーズの人気の脇役というものの重要性ともつながるものではあるまいか。
しかしながらあんがい米国というのは、そういうキャラの発展の仕方や使い方というのはそんなに上手く無かったりするようだ。こういうのにもお国柄がありそうで、比較したり調べたりすると面白くなるかもしれない。
もっとも、コロンボはやはりコロンボと犯人のやり取りが基本なのだから、もう少しそこのあたりを精査して反省してもらいたいものだが、もう時間切れですもんね。重ね重ね、残念であります。