米国はトランプ大統領の「ツイッター砲」「トランプ砲」による攻撃の成果でしょうか、「お騒がせのちゃぶ台返し」をしているかのような発言の裏には計算された「随分と分かりやすい」外交を展開しています。
その上で、7月16日にロシアのプーチン大統領との首脳会談に臨みました。
7月23日にzakzak by 夕刊フジが「貿易戦争は「米中新冷戦」時代の幕開け トランプ政権は「中国は国家的泥棒」と認識」の題で、「長谷川幸洋「ニュースの核心」」の項目にて次のように伝えました。
『ドナルド・トランプ米大統領と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が16日、フィンランドの首都ヘルシンキで会談した。大方の予想通り、核軍縮の継続協議を除いて、具体的成果はほとんどなかったに等しいが、今回の米露首脳会談は、トランプ氏の世界観を占う意味で興味深い。
大胆に言えば、トランプ氏は「米国の戦略的仮想敵は中国」と見定めて、ロシアを中国との連携から切り離そうとしているのではないか。
それはなぜか。
いまのロシアは、もはや米国の脅威ではないからだ。それは経済状況に端的に示されている。
いまロシアの名目国内総生産(GDP)は世界12位、1兆5270億ドル(約171兆6806億円)程度にすぎない(2017年)。中国の12兆140億ドル(約1350兆7340億円)にははるかに及ばず、韓国の1兆5380億ドル(約172兆8865億円)をも下回っている。
かつての超大国イメージが残っているが、実態は輸出の大半を石油と天然ガスなど1次産品に依存し、長期低迷を続ける中進国なのだ。
とはいえ、軍事的には大量の核兵器を保有しているから、無視はできない。つまり、トランプ氏からみると、経済でも軍事力でも米国を脅かす存在ではないが、核大国には違いないので、この際、関係を修復して中国の脅威に備えたい。
もしチャンスがあるなら、中国とロシアの仲を切り裂いて、部分的でも米露連携に持ち込めれば素晴らしい。そう考えているのではないか。
米国にとって、いまや主敵は中国である。習近平国家主席は13年の初訪米で、当時のオバマ大統領に事実上、太平洋を2分する縄張り分割を提案した。習氏が「太平洋は米中両国を受け入れるのに十分、広い」と言ったセリフは有名だ。
トランプ政権は、その中国と本格的な貿易戦争に突入した。日本では「11月の中間選挙が終われば、元に戻る」といった見方もあるが、楽観的にすぎる。
ホワイトハウスの報告書が明らかにしたように、トランプ政権は「中国は知的財産を盗む国家的泥棒」とみている。放置すれば、ハイテク技術が盗まれ続け、経済だけでなく、やがて安全保障も危うくなる。そんな危機感がある。
南シナ海に軍事基地を建設し続けている中国は、実際の行動でも、米国をアジアから排除したい意図を隠していない。トランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争は、これから長く続くであろう「米中新冷戦」時代の幕開けとみるべきだ。
ちなみに、私は最近、日本を訪れた米政府高官と意見交換したが、この米中新冷戦という現状認識は完全に一致した。
北朝鮮が「核・ミサイル」問題をめぐる米国との実務者協議で強硬姿勢に転じたのも、米中対立が背景にある。彼らは「中国の支持があれば、米国は怖くない」と居丈高になっているのだ。
そんな中で開かれたのが、今回の米露首脳会談である。プーチン氏にとっても、経済の重荷を避けるために核軍縮は願ってもない話だったろう。国の実力を背景にした米中露関係の新展開は、今後も目が離せない。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。』
長谷川幸洋氏の分析や論評は、正に正鵠を射る分析かと筆者は高く評価します。
一方、米国にも悩みがあります。
米国民主党時代の政策のツケ、敢えて筆者が申し上げるならば、「愚かなるグローバリズムのなれの果て」である、「米国主導NAFTAやTPP構想・FTA構想」が日本の手によってひっくり返され、今や「日本・EUとのFTA協定成立」「日本主導の米国抜きのTPP11」体制が着々と完成しつつあり、NAFTA再交渉ですらも米国主導にはならなくなっています。
米国が、いや、米国政府やトランプ大統領ですら一番頼りにしている日本政府や安倍首相の意図はどこにあるのでしょうか??
実は興味深い記事が、4月24日23時29分にスプートニクが「TPP、アメリカの最大の誤算とは?日本の外交力が気に入らないトランプ政権」の題で次のように皮肉を込めて伝えました。
『米国のトランプ大統領は、18日の日米首脳共同記者会見で、離脱を表明したTPP(環太平洋経済連携協定)について、あらためて「TPPには戻りたくない」と述べた。しかしトランプ氏はこの数日前、TPP復帰に向けた再交渉の検討を通商代表部に指示していた。現在、TPPには11か国が参加している。3月8日には、日本が調整役となり、米国を除いた新協定に署名がなされた。今後、参加6か国以上の国内承認手続きが完了すれば、新協定が発効される。日本政府は2019年の発効を目指している。
なぜ米国はTPP発効目前のタイミングで、復帰と離脱の間で揺れ動いているのか。国際経済に詳しい杏林大学の馬田啓一名誉教授は、「いったん発効してしまうと、参加国には米国の要求を押しもどす力があります。米国が戻ってきて再交渉になり、ルールが変わるのは、どの国も嫌なのです。米国もそれがわかっているので、今あえて邪魔をしているわけです」と話す。
現段階でTPP再交渉の可能性はゼロであるにもかかわらず、トランプ氏が再交渉を検討するように指示した意味とは何だったのか。
馬田氏「業界団体に対するガス抜き、中間選挙を控えての苦肉の対応だと言えます。結局は、共和党の支持をつなぎとめる為のリップサービスでしょう。トランプ氏の本音としては、TPPのような多国間交渉よりも、二国間交渉の方がやりやすい。二国間交渉ならば、不動産交渉で身につけた、相手の弱みにつけ込み、強引に言いなりにさせるやり方、相手から譲歩を引き出す作戦が使えるからです」
トランプ政権にとっての最大の誤算は、米国が離脱すればTPPがまとまるはずがないと思っていたのに、日本が主導してまとめ上げてしまったことだ。
馬田氏「日本は当初米国を説得する方向でしたが、それが無理そうだとわかり、方針転換しました。日本は、いつか米国が戻ってくるという前提で、調整役を果たして11か国の署名にこぎつけました。これは実に上手いやり方で、今後の展開に期待できるようにうまく事を進めたと思います。このことは米国にしてみれば想定外の事態でした。そのためトランプ氏は、市場を失うことを恐れた食肉などの業界団体から突き上げに合っています」
安倍首相は従来どおり、「TPPが日米にとって最善の枠組み」との立場を崩していない。馬田氏もまた、TPPには米国の参加が不可欠であり、最終的には日本が米国を引き込み、アジア太平洋の大きなルールを確立していくべきだと考えている。
馬田氏「TPPはこれからずっと11か国のままというわけではなく、まとまって動き出せば、入りたい国は出てきます。TPPはアジア太平洋の通商秩序となる重要な協定で、米国が戻るためには、復帰の口実を作る助け舟を出してあげることが大事です。実質的には再交渉は行なわず、それでいて『米国の言い分を聞いてあげた』という材料を与えるのです。そういう妙案を日本が打ち出せるかどうかで、米国の復帰が決まるでしょう」
対日貿易赤字は不平等だと訴える米国は、日本のペースで事が運んでいるのが気に入らない。だが日本にしてみれば、話し合いができないのは米国のせいだと考えている。
馬田氏「米国では、トップダウンで予測不可能なトランプ氏のもとにいても意味がない、と次々と官僚が辞めています。深刻な人材不足のせいで、事務レベルの交渉ができていません。優先順位としてはNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉、米韓FTA再交渉、中国への対応ときて、日本への対応は最後になってしまっているのです」
日米首脳会談では、日米の通商問題を協議する新たな枠組みを設けることで一致した。日本側のトップとなるのは、TPPをまとめたことで安倍首相の信任が厚い茂木敏充経済再生担当相だ。茂木氏は、日米FTAは念頭に置いていないと述べ、米国の思惑通りにはさせないという姿勢を示している。』
今国会にて、日本はTPP加盟の関連法案を成立させました。
最早、後戻りはあり得ません!!
TPP11は日本も法案が成立し米国は露に接近し日本主導のTPPに入らざるを得ない!!
7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで開催された米露首脳会談の成果を伝える画像
右側の画像は米国トランプ大統領(左)と並ぶロシアのプーチン大統領(右)
出典:米国ホワイトハウスのツイッター・トランプ大統領RT画像
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